「不適切にもほどがある!」で再注目 伝説のディスコ「MAHARAJA」が令和の時代も攻め続ける深い理由

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楽しむために仕事をするバブル世代

 全盛期のマハラジャはNOVA21★グループによるフランチャイズのディスコチェーンだった。現在のROPPONGIは、マハラジャの商標を取得した実業家が平成22年に復活させた店舗だ。現在は東京の2店舗(ROPPONNGIとその上階のANNEX)と、それぞれ別企業が運営する京都と大阪の2店舗が営業している。

 吉田さんがROPPONGIの広報となったのは8年前のこと。昭和50年代生まれのためバブル期のディスコを体験しておらず、「アンダーグラウンドな雰囲気を勝手にイメージしていた」という。しかし、いざ働き始めると衝撃を受けた。

「たくさんのお客様がダンスに夢中で、それぞれの表現で踊っているんですよ。かっこいい踊りの方も個性的な踊りの方もいますが、共通しているのは皆とにかく楽しそう! こんなにキラキラして楽しくて健康的な場所は、今の日本で他にないんじゃないかなと思いますね。衝撃でしたけど、ハマりました(笑)」

 言うまでもなく、中心の客層は50代から60代のバブル世代だ。

「今の若い人たちよりも全然パワーがありますね。バブル期に人生の楽しみ方みたいなものを体感したからか、毎日楽しむために仕事をしているように見えます。仕事をして、マハラジャで気分転換をして、家に帰る。ディスコには暗くてうるさい場所というイメージもありますが、そんな皆様が楽しむためにいらっしゃる今のマハラジャは本当にハッピーな場所なんですよ」

名付け親のデヴィ夫人も来場

「でも、バブル世代が懐メロで踊ってるだけでしょ」と思うのは早計だ。現在のマハラジャはかつてのスタイルを老若男女向けに“進化“させている。スペシャルイベントのゲストはその象徴であり、昨年11月に開催された13周年アニバーサリーではデヴィ夫人やDJ KOO、諸星和己、早見優といった顔ぶれがホールを沸かせた。また、松平健を招いた実績もある。

「今の東京にはクラブが何軒もあり、多くのイベントが開催されています。でもマハラジャブランドは唯一無二ですから、他と同じことはしたくないという気持ちがとても強いんですよ。ターゲットは老若男女。誰もが楽しめる空間を作りたいので、かっこいいDJだけではなく、意外性や知名度、若い世代もバブル世代も『この人に会いたい』と思えるような、魅力ある方にオファーしています」

 イベント出演後のデヴィ夫人が、自身のInstagramでマハラジャの名付け親だった事実を明かした件もニュースになった。また、9周年に続く登場だった諸星和己は、ちょっとした“ハプニング“があったという。

「実は当日のDJがDJ JANNY(ジャニー)という名前で。ちょうどニュースになっている時期でしたから、楽屋で諸星さんにお伝えしたところ『ジャニー? それはちょっとまずいですね(笑)』と仰っていたんですね。すると本番では、あえて自分からそのネタに突っ込んでいかれて、上質なトークにしてしまう(笑)。しかも、その部分の動画をSNSで使ってOKという許可までいただけて。何でも気にしなければならない今の時代とは違い、一番にファンを喜ばせることができる“真のスター”だなと実感しました」

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