15年ほど前、「若者の海外旅行離れ」という議論がはやっていた。当時の学者や評論家は、したり顔でその理由を分析していたものだ。いわく「近頃の若者は内向きだから」「ネットで全てが済んでしまう時代だから」といった具合だ。
確かに若者の出国率が減少していたのは事実だ。1996年に24.6%を記録した20代の出国率は、2008年には18.4%にまで落ち込んでしまう。当時はちょうどインターネットの普及が本格化した頃で、簡単に世界中の情報が手に入る時代に旅離れは当然だ、という議論も違和感なく受け入れられていた。...
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「もはや日本は安くて従順な労働者をつくるだけの国」 GDP世界4位転落で日本人が考えるべきこと(中川淳一郎)
人口約1億2500万人の日本のGDPが人口約8300万人のドイツに抜かれ、世界4位となりました。2023年のドル建てでの集計ですが、これをめぐりネットではまぁ~「正当化合戦」が展開されており、実に惨めな気持ちになりました。各種コメントはこんな論調です。
「前提として、GDP指標は無意味」「円安でユーロ高だからドイツが上がっただけの話」「国外の日系企業の数値を入れていないからフェアではない」「ドイツの方が物価が高いから当たり前の話」
いや、皆様、日本がGDP世界2位の時、こんなこと言ってましたか? 「日本すごい!」だったでしょ? 中国に抜かれた時は「人口がケタ違い」と言い、今回ドイツに抜かれたら物価と為替のせいだと言う。...
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