「陰謀論者と言われる理由はわかりますが…」国賠訴訟で東京都に勝訴した「暇空茜」インタビュー「世間の批判にすべて答えます」

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「Colabo」の会計不正疑惑を追及しながら、意見の対立する相手とはSNSを飛び越え法廷でもバトル。裁判闘争の支援で集まったカンパは約1億5000万円、現在抱える訴訟は約30件――。この1年半あまり、インターネットで暴れ回ってきた「暇空茜」(本名・水原清晃)氏には賛同の輪が広がる一方で、「女性いじめ」「陰謀論者」「炎上ビジネス」などの批判も根強い。世間の批判についてどう考えているか本人に聞いてみた。(前後編の前編)

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東京都に起こした訴訟は11件

〈まず聞いたのは、3月26日に暇空氏に軍配が上がった国家賠償請求訴訟について。暇空氏が東京都に対して、情報開示請求の公文書不開示決定の取り消しと精神的苦痛を受けた慰謝料などとして33万円の損害賠償を求めた訴訟だ。

「Colabo」の会計不正問題を追及していた暇空氏は昨年5月、東京都若年被害女性等支援事業の補助金の交付を受けるため、交付申請書を提出した団体の応募書類を開示するよう都に情報開示請求を行った。都は7月に、「選ばれない団体が批判を受ける恐れがある」などとして不開示決定を通知したが、6月の段階ですでに審査を通過して補助金交付決定を受けた団体名を公表していた。

 裁判で暇空氏は、「不開示決定がされた処分時には団体名が公表されていたのだから、都の判断はおかしい」などと主張。東京地裁は暇空氏の訴えを認め、都に対し、不開示決定の取り消しと1万1000円の支払いを命じた。〉

――今回の勝訴についてどう捉えていますか?

 東京都に対しては8つの住民訴訟と3つの処分取消訴訟を起こしています。今回が初めての判決、初めての勝訴となりました。ちなみに他の訴訟は都側が牛歩戦術みたいな遅延行為をやっているので、そんなに進んでいません。

 そんななか一連の訴訟をお任せしている弁護団の先生から「この不開示決定は違法性があるので勝てる可能性が高い。国賠で訴えてみませんか」と提案を受けたので、「じゃあお願いします」と始まったのが今回の訴訟です。それからはほぼ丸投げだった。僕自身の力で勝ち抜いたわけではないので、実はそこまでの達成感がないんです。

 とはいえ、まず1勝できたことは素直に喜びたいです。この勝利は支援者からのカンパなくしてなしえなかった。呼びかけてから1年半で1億5000万円を超えましたが、この潤沢な資金のおかげで優秀な先生たちを雇えたのです。自腹でやっていたならば2つ3つしか訴訟を起こせなかった。

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