自民青年局「セクシーダンス懇親会」問題でダンマリを決め込む“もう一人のキーマン” 「地方議員のドン」が果たした役割と取材に対する呆れた“弁明”

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 自民党青年局による“破廉恥ダンス懇親会”騒動の鎮火に岸田政権が苦慮しているという。会に参加した藤原崇・青年局長と中曽根康隆・青年局長代理を辞任させることで、一度は収束を試みたが、批判の声は広がるばかり。実は今回の問題では「もう一人、重要なキーパーソンがいる」というのだが、報道では一切スルーされてきた。その理由は何か。

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 問題の懇親会は昨年11月18日、和歌山市内のホテルで開かれた「青年局近畿ブロック会議」の終了後に始まった。参加者は自民党青年局所属の国会議員や近畿地方の若手地方議員など40人近くにのぼったという。

「会が始まると、肌を大きく露出させた“下着”と見紛う衣装姿の女性ダンサー約5名が登場。参加者へのボディタッチなどもある過激な演出で、ハメを外した議員のなかにはダンサーのお尻を触ったり、口移しでチップを渡す者まで現れました。当初、自民党側は藤原・中曽根両氏の辞任で幕引きを図るつもりでしたが、あまりの下品な内容に批判がやまず、目論見が外れた格好です。官邸側の人間に取材しても、焦点となっている懇親会の模様をおさめた動画を確認した者すらおらず、“政権として危機管理能力を喪失している”との声が自民党内からも上がっています」(全国紙政治部記者)

 懇親会の主催は和歌山県連で、破廉恥ショーを企画した県連青年局長の川畑哲哉・和歌山県議は責任を取って離党。ちなみに会のテーマを「多様性(ダイバーシティ)」だったと釈明したのが川畑氏で、火に油を注ぐ結果になったのは周知の通りだ。

 実は早々に辞任を表明した藤原氏や中曽根氏と「同格のポジションにいる人物」も懇親会に参加していたというが、なぜかその自民党議員について言及するメディアはなかった。

地方議員の「トップ」

 自民党関係者が語る。

「舞台となった会議は全国の各ブロックで毎年行われ、会議の主要テーマは地方議員から活動報告を聞き、地方の情勢を把握することです。つまり会議の“主役”は担当ブロックの各地方議員であり、そのブロック会議に呼ばれる自民の若手地方議員のトップに立つのが、全国11ブロックの幹事都道府県支部連合会青年局で構成される中央常任委員会の議長です。現在は細田善則・埼玉県議(41)が就いており、細田議長も懇親会に出席していたと聞いています」

 細田氏は埼玉県戸田市出身で、2015年の県議選で自民党から出馬して初当選。以降、戸田支部長や埼玉県連青年局長などを経て、昨年10月に中央常任委員会議長に就任した。

「青年局組織のなかで、細田氏は国会議員の青年局局長と“同格”の扱いを受け、党本部での発言力も局長と“同等”と見なされています。そのため地方で開催されるブロック会議後の懇親会には、党本部から来る国会議員だけでなく、地方議員トップの常任委員会議長をもてなす意味合いもあったとされる。また離党を表明した和歌山県議の川畑氏についても『監督責任は一義的には議長の細田氏にあったはず』との声が党内でくすぶっています」(同)

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