競走馬「オオタニサーン」の馬名はオッケー? 登録を司る法人は「日本全国には多くの“大谷さん”がおり、個人は特定できない」

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「オオタニサーン」という名前の競走馬が初出走し話題となった。実況アナウンサーも、かの御仁を外国人が呼ぶかのごとく“タ”にアクセントをつけている。

 野球界には競馬好きが少なくない。なかには馬主になった人もいる。

 最も有名なのは“大魔神”こと佐々木主浩氏であろう。質・量ともに突出していて、名牝の誉高いヴィルシーナや、ジャパンカップを制したシュヴァルグラン、ドバイで優勝歴があるヴィブロスなど。馬名に“ヴ”がつくのは妻・榎本加奈子さんの好みなのだとか。

“番長”こと三浦大輔DeNA監督の持ち馬たちの名前は「リーゼント~」で始まる。トレードマークのリーゼントヘアが由来だ。

 吉井理人ロッテ監督も馬主で、フォーシームやリジンという名前をつけている。

 馬主になるのが夢だったというソフトバンクの柳田悠岐選手は、昨夏初めて馬を購入。総額1億円を費やし3頭を所有する。自身の愛称を冠した「ギータ~」や、かつて達成した「トリプルスリー」なんて馬名がお似合いだが、彼がつけた3頭の名前に面白みはない。

「多くの方が大谷選手を思い浮かべるかもしれませんが…」

「オオタニサーン」に話を戻そう。そもそもこんな馬名をつけていいのだろうか。

「大谷人気に便乗したんでしょうが、いくら馬券が売れても馬主は儲かりません」

 と語る競馬記者いわく、

「公序良俗に反する馬名や、個人名、商品名はダメ。といっても、昔と比べると最近は審査が甘くなってきた気がしますね」

 馬名の登録を司る「公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル」が定めた「馬名登録実施基準」をひもとくと、たしかに〈著名な人物等の名称と同じ馬名〉は登録不可、とある。だったらダメじゃないか。同法人に尋ねると、

「たしかに多くの方が大谷翔平選手を思い浮かべるかもしれませんが……」

 と前置きしつつも、

「日本全国には多くの“大谷さん”がおり、個人は特定できないため、登録が認められました」

週刊新潮 2024年3月7日号掲載

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