“児童ポルノ”で逮捕歴「現役漫画家」の懺悔告白 「未成年へのわいせつ事件が減らない理由」と「僕はこうやって欲望を抑えている」

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

「悪魔のスパイラル」

 実際、社会人になると休日に公園へ足を運び、未成年の女の子がいると「写真を撮ってもいいかな?」などと声をかけたという。

「最初から“嫌がることは一切しない”と決めていましたが、女の子が撮影に応じてくれるケースはほぼなく、あっても“その場で数枚”が限度でした。だから余計にウラで流通していた写真や本に耽溺していった。ただし今から振り返ると、当時の声掛けが成功しなくて本当に良かったと思っています。自分の欲望が暴走しなかったことに加え、女の子に深い傷を負わせなかった点については心底ホッとしています」(X氏)

 こう考えられるようになったのも「いま受けているカウンセリングやミーティングなど更生プログラムのおかげ」と話す一方で、「やっぱり自分の性的嗜好が完全になくなることはない」とも感じているという。

「結局、欲望を抑え、うまくコントロールしながら“ロリコン”の自分と死ぬまで付き合っていくしかないと考えています。でも私のような人間は、今後も必ず出てくるでしょう。一方で日本の法律やネット空間の現状を見ると、彼らが犯罪へと走るのを未然に防ぐ術はないとも感じています。ダークウェブ上に氾濫する違法画像を“合法的”に閲覧することで、内に秘めた欲望の肥大化を招く“悪魔のスパイラル”をどう断てばいいのか。個人的には小児性愛者という存在を“いないもの”として捉えるのでなく、私のようなマイノリティがすでに社会のなかに存在していることを認識し、更生や治療に結びつける方法を模索したほうがいいと考えます。その第一歩として今回、反発は承知のうえで、取材を受けることを決意しました」(X氏)

 会話中、何度か羞恥と苦悶の入り混じる表情を見せたX氏だが、その「治療の終わり」はまだ見えていない。“鬼畜”による犯罪をどう防ぐか――社会として真面目に考える時期に来ているようだ。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。