「日本や韓国は米国の価値観が『著しく劣化』していることに警戒すべき」 元パウエル国務長官の首席補佐官が語る「ウクライナとイスラエルの今後」

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20年後、イスラエルは国家として存在しない

――ウクライナで膠着状態が続く一方、中東では昨年10月7日に武力紛争が勃発しました。両方の戦争が起こる前である2021年、あなたはイスラエルが20年後には国家として存在しないだろうと予測しました。今もそのお考えをお持ちでしょうか?

 もちろんです。イスラエルは、ガザ地区のみならず、ヨルダン川西岸と東エルサレムでの極めて残忍な戦闘、主に民間人やUNRWAの職員、病院スタッフ、その他の非戦闘員を殺害し続けることによって、「パーリア国家(pariah state)」の烙印を押されつつあります。今や世界各国がイスラエルを非難し、ひいてはイスラエルを支持する米国も憎んでいます。

 しかし、イランがレバント(地中海東部沿岸地方)・南西アジアで神権国家であるように、ユダヤ国家であるイスラエルを救うには、米国の全面支援さえも不十分でしょう。

 ベンヤミン・ネタニヤフ首相はハマスの全滅を主張していますが、それは武力だけでは不可能です。ハマスも他のテロリスト集団と同様、テロリストのイデオロギーよりも強力な思想によって打ち負かす必要があります。民主主義がその思想の一つでありますが、ネタニヤフ首相はイスラエルの民主主義を破壊しています。

 古代ユダヤの預言者エレミヤがイスラエル民の滅亡を堅く予言したように、私も自らの予言に揺るぎはないです。

中国、核兵器、気候変動危機

――一部の専門家は、ウクライナとパレスチナでの戦争が、米国とその同盟国の関心をより差し迫った安全保障上の脅威(中国)から目を逸らしていると主張します。特に、エルブリッジ・コルビー元米国防副次官補とシカゴ大学教授のジョン・ミアシャイマーは、安全保障の軸足をアジアへ「再移動」するよう呼びかけています。この見解についてどう思われますか?

 賛成です。中国だけでなく、核兵器と気候変動危機という、存亡に関わる二つの脅威 も含むべきでしょう。前者は条約体制がまったく残っておらず、後者はCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議、2023年11~12月開催)での結果からも明らかになったよう、今世紀半ばにも破滅的な結果を招く可能性があります。

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