「日本や韓国は米国の価値観が『著しく劣化』していることに警戒すべき」 元パウエル国務長官の首席補佐官が語る「ウクライナとイスラエルの今後」

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WW2後の同盟関係は過去の遺物

――インド太平洋での同盟関係が拡大する傾向にありますが、あなたはワシントン主導の安全保障体制には否定的な見解を示しています。

 第二次世界大戦後に構築された同盟関係は、今日、その実用性と有効性を失いつつあります。

 その中で最も成功したNATOは、今後10年以内に解体されるでしょう。米日、米韓との安全保障協定、QUAD(日本、インド、オーストラリア、米国の4カ国による安全保障グループ)、AUKUS(オーストラリア、英国、米国の3カ国による安全保障グループ)、ANZUS(オーストラリア、ニュージーランド、米国の3カ国による安全保障グループ)、あるいは太平洋島嶼 国とのさまざまな関係も、すべて過去の遺物であり、朽ち果てようとしています。

 先に述べた存立危機に対処する、より実務性のあるグルーピングが必要とされます。例えば、米国、中国、日本、ロシア、インド、ブラジル、ドイツが新たな共同体を作り、現実的な議論を交わす必要があるでしょう。

米国の価値観は著しく劣化している

――日本は米国の「軍事介入」に対する消極的なスタンスを憂慮すべきでしょうか?

 いいえ。しかし、なぜこのような不作為が起きているのかは懸念すべきでしょう。それは、ブリンケン国務長官が公言しているように、米国は戦争で儲けることに関心があり、それ以外のことには興味がないという、堕落した指導者の姿を描いているからです。

 確かに今日の米軍は、最小限の兵力構成を満たすための十分な人材を確保することさえできず、急速に「紙の虎(Paper Tiger)」になりつつあります。しかし、5000発以上の核弾頭を保有している限り、戦争に対するこのような準備不足でさえ許されると考えているのです。日本や韓国など、米の同盟国は、我が国の価値観が著しく劣化していることを警戒すべきでしょう。

吉田 賢司(よしだ・けんじ)
「JAPAN Forward」ソウル駐在記者、翻訳家。米ウィリアム・アンド・メアリー大学で政治学専攻。

デイリー新潮編集部

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