「牛乳はアンチエイジング飲料」「自家製お酢ドリンクが効果的」 意外に大事な「飲み物健康術」

ドクター新潮 ライフ

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避けるべき成分

 それでは、私たちにとって大切な飲み物をどう選べばいいのでしょうか。

 まずは原則について説明します。先ほど申し上げたように、あくまで栄養摂取の基本は食事ですから、飲み物はそれをサポートしたりするものと捉えるべきでしょう。その上で、飲み物で摂取すべき成分、避けるべき成分、適量を摂取すべき成分の三つを理解してもらえればと思います。

 摂取すべき成分は、普段の食生活で不足しやすく過剰になりにくいもので、具体的には食物繊維やカルシウム、タンパク質、ビタミンなどです。

 避けるべき成分は、現代の食生活で過剰に摂取しがちなため、飲料でさらにプラスするのは避けたいもののことであり、具体的にはリンとナトリウムです。

 適量を摂取すべき成分は、糖質など、食事と飲料で文字通り適量を取るべき成分です。

 この原則を踏まえた上で、個々のシチュエーションに合わせて摂取すべき飲み物について考えてみたいと思います。

タンパク質と食物繊維を

 はじめに、時間に追い立てられるように生活している現代人にとっての共通の課題ともいうべき、忙し過ぎる時です。いくら処理しても片付かない量の仕事を抱え、食事する時間の確保もままならない。気が付けば今日はまともに食べていないという経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。そんな時は、飲料で手軽に、そして緊急避難的に栄養を摂取する手があります。

 ここで優先したいのは、人間の体にとって最重要な糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素に食物繊維を加えた六大栄養素の補給です。糖質や脂質は体内にストックされているため、多少食事をせず、摂取しなくてもそれほど問題にはなりません。一方、タンパク質と食物繊維は3食で欠かさずに摂取したいところなので、緊急避難的にはこの二つの栄養素を補える飲料を飲むのがいいといえます。

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