「牛乳はアンチエイジング飲料」「自家製お酢ドリンクが効果的」 意外に大事な「飲み物健康術」

ドクター新潮 ライフ

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 良き食材を選び、豊かに栄養を取る。人生100年時代、多くの人が「食の健康」を意識するなか、見落とされがちなものがある。食べ物よりも頻繁に摂取するのに、のどを潤すものと軽視されたりもして……。実は奥深い「飲み物」の健康術を、『なぜ、一流は飲み物にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)の著作がある医学博士が、改めて指南する。【東京農業大学名誉教授/田中越郎】

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 人間の体は食べ物によって作られている――。

 極めて当然の常識といえるでしょう。しかし、正解とは言い切れません。なぜなら、体の約60%は水分で占められているからです。

 尿と汗で、水分は1日1リットル以上、体外に出ていきます。ですから、1日1リットル以上の水分を補給しないと体液(体内の水分)のバランスは崩れ、健康を害してしまう危険があります。食べ物によっても水分は得られますが、水分補給のメインは何といっても飲料です。従って、人間の体は飲み物によって作られている、ともいえるのです。

良い食事をしても飲み物が悪いと…

 にもかかわらず、食事には気を配っても、それに比べると飲料のことはさほど気にしていないという人が少なくないのではないでしょうか。

 例えば、血糖値が高くならないような食事メニューを心掛けたとしても、一緒に、吸収のスピードが速い果糖ブドウ糖液糖が入っている甘い炭酸飲料などを飲んでしまえば、一気に血中の糖の量は増え、血糖値スパイク(血糖値の急激な上下動)を引き起こす恐れがあります。せっかく健康のために「良い食事」をしても、「悪い飲料」を飲んでしまったらチャラということになりかねないのです。

 もちろん、栄養摂取の基本は食事です。その意味ではたかが飲み物です。しかし、されど飲み物でもあるのです。

〈こう説明するのは、東京農業大学名誉教授の田中越郎氏だ。

 内科医であるとともに栄養学・生理学の専門家でもある田中氏は、「食品と健康」についてだけでなく「飲料と健康」に関する研究を続けてきた。

 食事と比較すると飲料は軽視され過ぎてはいないだろうか。そんな思いから、田中氏が飲料の奥深い世界について続ける。〉

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