和田毅(42)の“人身御供”にオーナーサイドへの忖度のカゲ 「秘密は墓場まで」で甲斐野(27)に破格の“厚遇”も

スポーツ 野球

  • ブックマーク

Advertisement

“超法規的措置”で一応の決着

 プロ野球西武がフリーエージェント(FA)でソフトバンクに移籍した山川穂高内野手(32)の人的補償として和田毅投手(42)の指名方針を固めたとの1月11日の一部報道で、両チームのファンのみならず球界に激震が走った。和田は日米通算163勝、昨季も8勝(6敗)を挙げ、小久保裕紀監督(52)が今季のローテーションの一角に構想していた。若手への模範的な存在で将来の監督候補でもある。チームに不可欠な選手が、一般女性への性加害問題で獲得に否定的な意見が多かった山川の代わりに放出されるのかと、ファンの間では猛烈なハレーションが巻き起こった。

 西武が獲得できない28人の「プロテクト枠」に和田を入れていなかったソフトバンク球団に、批判の矛先が向きかけた。だが同日、リリーフの甲斐野央投手(27)が人的補償になることが両球団から電撃的に発表された。右往左往したことを窺わせながら一応の決着をみた。一方で一部球団の編成担当者間では「甲斐野はプロテクトから外れていなかった。和田の代わりになった」との情報がただちに共有されている。西武とソフトバンク、両球団合意の下でルールを超え、人的補償要員が和田から甲斐野へとスイッチされたというのだ。

「甲斐野をプロテクトから外すことは編成の視点からは考えられません。西武の戦力を考えると、平良(海馬)が昨季先発に転向して、リリーフの増田(達至)は力が落ちてきている。3枚(高橋光成、今井達也、平良)が確立されている先発よりは、渡辺(久信)GMも『大きな補強ポイント』と表現していたように、リリーフを強化したかったはずです。甲斐野がプロテクトから外れれば、真っ先に獲得対象になることは明らかだったと思います」

 在京球団編成担当はこう指摘した上で、同じドラフト1位入団でも伸び悩んでいた田中正義投手(昨オフに近藤健介外野手のFAの人的補償で日本ハムへ移籍)とは事情が異なり、プロテクトしない理由が見当たらないとした。

 最速160キロを誇り、日本代表の経験もある。昨季は46試合で防御率2.53だった。必要不可欠な戦力だったことは間違いない。

次ページ:“山川への打撃”も意図した可能性

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。