「必殺仕事人」「刑事7人」には必要不可欠な存在 東山紀之社長の芸能界復帰はあるか

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仕事人の後継は

 昨年いっぱいで少年隊の東山紀之氏(57)が芸能界を引退した。2024年から「SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所、以下SMILE社)」の社長として、創業者の故ジャニー喜多川氏の起こした性加害問題の被害者への補償、救済に専念することになる。

 現役タレントとして最後に主演した特別ドラマ、「必殺仕事人」(朝日放送=テレビ朝日系)は昨年12月29日に放送された。東山氏は2007年から故・藤田まことさんに替わって主演を務めてきたが、劇中には驚きの描写があった。

「江戸で人気の踊り子グループに所属する女性が、興行主の男性によって“枕営業”をさせられます。仲間に相談しても、まともに取り合ってもらえず、瓦版屋に話をして告発しますが、売名ではないのかと誹謗中傷を受け、自ら死を選びます。女性の無念を晴らすため、仕事人たちは復讐を果たすのですが、ジャニー氏の性加害問題を思い出した視聴者もいたといいます。とはいえ、撮影が行われたのは昨年の初めで、ジャニー氏の問題を3月にBBCが報じる前でした。さすがに撮り直しはできず、そのまま放送となったのですが、ネット上では東山氏の今の置かれた立場を考えると違和感のある内容なので、批判の声が出ていました。制作サイドは、まさか東山氏がこんな状況に追い込まれると思っていなかったでしょうから、少し気の毒ですね」(放送担当記者)

 それでも、人気シリーズの最新作とあって、平均世帯視聴率は同時間帯の民放キー局ではトップの9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。

「代役は現時点では未定ですが、東山さんにはすっかりハマり役になっていただけに、引退は残念です。今作では新たな仕事人として、女優の松下奈緒が加入しました。朝日放送=テレ朝としては、このままシリーズを打ち切る気はないと思いますが、同じテレ朝の人気ドラマシリーズ『刑事7人』も、2015年の放送から東山さんが主演を務めてきました。こちらも東山さん不在のまま最新作を放送するとは思えません。スタッフも共演者たちも、東山さんの復帰を、首を長くして待つしかないでしょう」(テレビ朝日関係者)

 引退したばかりなのに、一部には早くも「復帰」を望む声が出ているという。それもどうかと思うが、ここにジャニーズタレントゆえの理由があるという。

「そもそも、木村拓哉に代表されるように旧ジャニーズの売れっ子タレントたちは主演作のオファーしか受けませんでした。そのため、それが人気シリーズになると、役のイメージがその後もついて回ります。木村はそれを良しとせず、新しいドラマに出たがりましたが、東山にとって『必殺』は、1年に1本と程よい間があり、藤田さんから受け継いだということもあってお気に入りの役。他の役者にはやらせたくないでしょうし、制作サイドも東山以外ではなかなか難しいと考えているようです」(テレビ朝日関係者)

 東山氏が降板したほかのテレビ番組についていえば、「サンデーLIVE!!」(テレビ朝日)のメインキャスターは代役を立てず、番組を進めている。毎年末に放送し、ナレーションを務めていた「プロ野球戦力外通告」(TBS)は、23年末から人気アニメ「鬼滅の刃」の煉獄杏寿郎役などで知られる声優の日野聡が新しい担当に。同じTBSでナビゲーターを務めていた、ドキュメント番組「バース・デイ」(TBS)は23年9月に降板している。

記者会見で抱えたトラウマ

 SMILE社は、昨年10月17日に旧ジャニーズ事務所から社名変更されたが、その間、東山氏は9月と10月に各メディアを集めた会見に出席した。一部メディアの記者からは自身の性加害問題を追及されるなど、“サンドバッグ”状態だったが、すっかりそのことがトラウマになってしまったようだ。

「1回目の会見で、まさか自分に火の粉が降りかかるとは思わなかったでしょう。信憑性は微妙な暴露本とはいえ、ある女性記者が会見で恥ずかしげのかけらもなく、東山氏が後輩にしたとされる性加害の部分を朗読しました。なんとか自制心を保って真っ向から否定した東山氏も、あれでかなりメンタルがやられてしまったようです。昨年10月から上演された主演舞台『チョコレートドーナツ』。そして12月26日に都内のホテルで行われたディナーショーが、タレントとして最後の表舞台となりました。これまでなら、ほぼ必ず上演初日や本番前に囲み取材をしていたのですが、舞台もディナーショーも囲みはなし。おそらく、自分の発言に対して、ネット上で取り上げられバッシングが巻き起こるのを回避したかったのでしょう」(ベテラン芸能記者)

 さらに、以前は全メディアを巧みにコントロールし、長年にわたってマスコミ対策と広報を担当していたジャニーズの白波瀬傑元副社長が会社を去ってしまったことも、取材現場に大きな変化をもたらしている。

「かつてジャニ担と呼ばれた、各スポーツ紙の担当記者への特別待遇もなくなり、ほかのメディアと横並びの対応になりつつあります。コンサートを鑑賞に来た関係者を、出演者たちが丁寧にお見送りしたり、元旦に報じられた亀梨和也と田中みな実はじめ、所属タレントたちの熱愛・結婚報道が相次いだりと、少し前までではあり得ないことばかり起きています」(同)

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