東スポが「餃子」「からあげ」「ポテチ」を売る新聞社に…57歳「新社長」に聞く、読者を元気にさせるビジネスの秘訣

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メディアの総合商社になれ

――新しい年になりました。社長が社員に呼び掛けたメディアの総合商社に向けて、どのような展開があるのでしょうか?

「先輩たちから受け継がれてきた東スポのブランドイメージがありますよね。一面の見出しから、競馬・野球・プロレス・社会芸能、総合エンターテインメントとしてのイメージを有効に使って収益を計れるビジネスモデルがあるのなら、積極的にやろうと思っています。そのためには部署や在籍年数に関係なく、社員にはどんどん意見を出してほしいと思っています。私も記者上がりですから、まずは相手の話をじっくり聞きます。事業化できると判断したら、即、動きますよ」

――本体の新聞発行とWEBでの展開。この二つを柱にして、新規事業にも力を入れていくということでしょうか?

「ただ、絶対に忘れてはいけないことが一つあります。デイリー新潮さんもそうだと思いますが、これからの時代、我々メディアにとって、紙を売るのかWEBに傾注するのかという議論も大事かもしれません。しかし、一番大切なことは、コンテンツ作りに関しては絶対に手を抜いてはいけないことだと思います。しっかりした記事を書くためには時間も、場合によってはお金もかかるでしょう。その努力を惜しんではいけないのです。写真も同様です。スマホの発達でいくらきれいな写真や動画が撮れるといっても、プロのカメラマンが微妙な角度や構成を意識して撮った写真のほうが『やっぱり違うな』となる。写真も含めて読み応えのある面白い記事、いいコンテンツを作り続ける努力を惜しんではいけない。あとで大きなツケがくると思っています」

――平鍋社長のビジネスマインドの根底には、前述の石田社長の教えがあるそうですが、在庫を抱えないことの他には何かありますか?

「石田社長がオフに海外旅行に行く時、一緒について行ったことがあります。社長は向こうで邦人向けの新聞を全紙買ってきて、その広告だけを見る。広告をじっくり見れば、今何が流行っているのか、さらにはこれから何が流行るのかが分かると言っていました。また、この商品はこの広告で売ったら売上はこうだったと、数字とデータをすべて頭に叩き込むために、昼間はずっと資料を読み込んでいました。せっかくのオフなのに(笑)。でも、あの姿勢は学ばないといけません。ビジネスの世界でアニキと慕っています。あ、でも、DVDを“デーヴィデー”とは言いませんよ(笑)」

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