M-1敗者復活の「シシガシラ」 本人が語っていたコンプラ時代の「許されるハゲネタ」の極意

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 24日に行われた「M-1グランプリ2023」(ABCテレビ・テレビ朝日系)で、敗者復活戦を制し、決勝進出を果たした「シシガシラ」。脇田浩幸さん(42)の特徴的な“ヘアスタイル”を生かした「ハゲネタ」を披露し、初の決勝の舞台を沸かせていた。相方の浜中英昌さん(39)と2人で作られるネタは、コンプライアンスが厳しい時代にあって「シシガシラだから許せるハゲネタ」だと評される。決勝の舞台後、「ハゲネタしかない」と明かし審査員の松本人志を絶句させたが、シシガシラがハゲネタに込めた並々ならぬこだわりを聞いた。

「デイリー新潮」2022年9月20日配信の記事を再掲載する。

ハゲいじりはタブーなのか

 2019年、M-1グランプリで優勝した「ぺこぱ」は、強い言葉を使わず、ボケとツッコミが対立しないスタイルの漫才が新鮮で、彼らの“誰も傷つけない笑い”が新しいお笑いの形だとも評された。一方、その対極とも言える“いじりネタ”、特に容姿をいじるネタなどは、テレビなどでタブーになりつつある。そうした時代の流れの中で、あまり見られなくなったお笑いの1つが「ハゲネタ」ではないだろうか。

 時代の空気を読んだ絶妙なネタ作りで、果敢に「ハゲネタ」に挑んでいるのが「シシガシラ」だ。

 特徴的なのが「放送禁止用語」というネタだ。実際のネタ動画をご覧頂ければすぐに分かるが、まさに昨今の“コンプラ重視”の風潮に切り込んだメタ的な漫才である。

“看護婦”や”スチュワーデス”と発言する脇田に対し、浜中は「今、コンプライアンス厳しいから言ったらだめなんです」「発信する側の人間だから気を付けないと」とたしなめる。そして「それじゃただのハゲだから、もっと知識を得たハゲにならなきゃ」と諭す浜中に、脇田が「ハゲは規制されてないの?」と嘆くようにつっこむ。

 なぜ彼らのネタは特別なのか。2人に聞いた。

 ***

浜中:最初に脇田さんから「コンビを組もう」って誘われたときは、断りましたね。ハゲてたから(笑)

脇田:「もっとポップな奴と組みたいんだ」って言われてね。

浜中:次に組むのが最後のコンビだって決めてたんで、どうしても一発当てたくて、若い子にウケそうなEXITみたいなコンビ組みたかったんですよ。それがいざ脇田さんと組んでみたら、こんなにしっくりくるとは思いませんでした。

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