M-1敗者復活の「シシガシラ」 本人が語っていたコンプラ時代の「許されるハゲネタ」の極意

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一般のお客さんの方が敏感

 これまで、「ハゲネタ」への批判の声が彼らに直接届いたことは無いという。

浜中:工夫しながらネタを作っているとはいえ、自分たちも批判を食らうかなって思ったんですけど、意外と大丈夫でした。もともとそう確信を持てていたわけじゃなくて、お客さんとかから「シシガシラのネタは笑えちゃうんだよな」っていう反応を聞いて、そんな風に思ってもらえるんだって初めて気づいた感じです。そういう意味では“傷つけないハゲネタ”をできているのかもしれないです。

脇田:例えば、テレビに出るとなったら、事前に「こういうのはNGで」と打ち合わせをしますよね。じゃあ劇場だったら何でも許されるのかというと、そうでもないと思います。今やお客さん1人1人が基準を持ってネタを見ているし、ある意味審査しているという面もある。むしろ、テレビを作ってる側よりも、一般のお客さんの方がどういう表現をしているのかに敏感になっているように思います。

浜中:あと、「子どもが真似していじめに繋がったらどうするんだ」と心配する方がいるかもしれませんが、そうならないようにすごく気を付けてネタを作っています。

脇田:僕らのネタは、すごく真似しづらいネタというか、どこかのフレーズだけ取り出して使う感じのネタじゃないんですよね。ちゃんとフリを作って全体の構成ありきの漫才なので、真似するとしたらネタ全部をやらないと面白さが伝わらない。そこまでやっていじめるなら、もう芸人目指した方が良いですから(笑)

今は良しとされていても……

「シシガシラ」には男性ファンの方が多く、ハゲているファンも少なくないという。

浜中:実は、ハゲの周りの人の方が敏感になって、勝手に気まずくなってるってこともあると思うんですよね。僕らの漫才は、ハゲてる本人があるあるネタとして笑えちゃう感じのネタに出来てるんじゃないかな。

脇田:この前、女性のお客さんが「うちの旦那がハゲてるんですけど、一番好きな芸人がシシガシラなので一緒にライブ行きます」って言ってくれたんですよ。ハゲが嫌な気持ちになるようなネタはやりたくないので、ハゲてる人にファンになってもらうのはめっちゃ嬉しいですね。やってて良かったと思います。

浜中:今、僕らのネタが良しとされていても、何年か先には「ハゲネタ」に対してもっと厳しい世の中になっているかもしれません。そもそも、僕らは誰もやってないところを探して「ハゲネタ」を作っているので、いつかは全部の「ハゲネタ」をやりつくして終わらせたいですね。そうしたらコンプライアンスに厳しい人たちも安心できると思うので。

脇田:他の芸人が新たに「ハゲネタ」をやろうとしても、「それシシガシラがもうやってるから」って言われるようになったらいいですね。僕らが最後の「ハゲネタ」芸人を目指そうと思います。

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