息子と妻に不倫がバレて家庭崩壊へ…その後、“ごく普通のいい子”だった50歳がとったゲスい行動とは

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妻を取り戻したいのに…

 清志さんが、菜穂子さんの動向をずっと気にかけていた可能性もある。いずれにしても息子に知られたところから、家庭は崩壊へと流れていった。

「そのとき思ったんです。僕は離婚する気はまったくないんだと。妻にはそれから毎日、メッセージを送りました。とにかく話し合いたいと。やっと妻が連絡をくれたのは1ヶ月後で、会えたのはこの夏です。妻は勤務先近くにワンルームのマンションを借りているという。そのことも夏に初めて知りました。家では会いたくないと言うので、ホテルのラウンジで会ったけど、ああいうところで本音の話はできない。とにかく戻ってきてほしい、誤解も多々あると言うと、『清志から写真ももらってる。証拠はある』って。この25年を完全に壊していいのかと言うと、『壊したのはあなたでしょ。私がどんな思いでいるかわかってる?』と言われて言葉がありませんでした」

 とにかく妻に戻ってきてほしい。その後も彼は妻を説得し続けている。それなのに彼は、菜穂子さんにも会っているのだという。さすがに「どうして?」と思わざるを得ない。妻を取り戻したいなら、菜穂子さんとは別れるのが筋だろう。

「わかっているけど……菜穂子にも会わないほうがいいんじゃないかと言われるけど……寂しいんですよ。どうにもならなくて菜穂子にすがってしまう」

 だったら妻と別れて菜穂子さんと一緒になればいいのだが、今さら菜穂子さんの子どもたちとうまくやっていく自信はないという。

 まっすぐ育った「ごく普通のいい子」だった卓哉さんだが、やっていることはかなりゲスい。本人がわかっているところが、さらに始末に負えない。寂しいのはわかるが、彼がすべて招いたことだ。息子の心の傷はどうするつもりなのだろう。

「わかってるんです、すべて」

 最後はうつむいてしまった彼を、それ以上責めることはできなかった。

前編【大学生の息子が「20歳年上のシングルマザー」と結婚宣言…父親として「取り返しのつかないことをした」と嘆く50歳男性の末路】からのつづき

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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