息子と妻に不倫がバレて家庭崩壊へ…その後、“ごく普通のいい子”だった50歳がとったゲスい行動とは

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別れを切りだされた息子は…

 ところがそれが失敗した。菜穂子さんに別れを切り出された息子は、帰宅して激昂、「おとうさんが別れるように言ったんだろう」とつかみかかってきたのだ。そうじゃないと何度言ってもわかろうとしなかった。そのまま家を飛び出そうとしたので力ずくで押さえ込むと、「男がいるんだ、きっと。菜穂子をぶっ殺してやる」と清志さんが物騒なことを言いだした。卓哉さんは息子を殴り飛ばした。

「オレの女に手を出すなと言いそうになり、自分の中にそんな言葉があったことに驚きました。もちろんそれは言わなかったけど、すぐに菜穂子に連絡して、子どもたちにも気をつけるように伝えました。とにかく息子に罪を犯させないよう妻にも言い含め、息子にも『まずは落ち着くんだ。これは誰が悪いわけでもない。自分を追いつめてはいけない』と話しました」

 菜穂子さんとは話し合い、清志さんが落ち着くまでは会うのを控えようということになった。若い清志さんはそれから徐々に日常に戻っていった。若い分、目先の楽しいことに目移りしていくし、就職のことも考えなければいけない時期になっていく。

 数ヶ月後、卓哉さんは菜穂子さんと再会を果たした。「待ってた」と菜穂子さんは笑った。そこからまた逢瀬が始まった。できるだけ代休などを使って平日の昼間に会った。やむを得ず夜会うときも、遅くならないようにした。思春期の子をもつ菜穂子さんへの配慮であると同時に、卓哉さんの妻にバレないようにするためだ。

息子の暴走

 今年の春、清志さんは就職した。そのころから少し様子がおかしいと妻は言っていたのだが、卓哉さんは「仕事が大変なんだろう」と思っていた。そして研修を経て、息子は夏には地方へと旅立って行った。

「出ていくとき、がんばれよと声をかけた僕を息子は無視したんです。その代わり、ものすごく虚無的な目で僕をじっと見ていた。イヤな予感はしたんですよね」

 その数日後、帰宅すると妻がいなかった。『見そこなった。最低の男と結婚していた自分を呪うしかない』と書かれた置き手紙があった。菜穂子さんに連絡をとると、「清志が全部バラしたって言ってた」と焦っている様子だった。

「どうやって知ったのかわからないんですが、地方に行く前日、息子が菜穂子さんの家に乗り込んできたと。彼女の娘を人質にとって『本当のことを言わないと、この子を傷つける』と脅した。菜穂子さんは『おとうさんと何度か会って話はしたけど、あなたが疑うような関係じゃない』と断言した。でも息子は信じなかった。娘の首に清志の手がかかったので、『一度だけあった』と言ってしまったそうです。清志は娘から手を離し、『一度なわけないだろうが』と菜穂子に言い捨てて去った。菜穂子は僕に連絡すべきかどうか迷ったらしいですが、どうしても言えなかったと泣いていました」

 清志さんは母の佳葉子さんにも伝えたのだろう。それで妻は出て行ったのだ。こんなことになるとは、まったく想像もつかなかったと卓哉さんは言う。息子は菜穂子さんのことなど完全に吹っ切れたように暮らしていたが、まだ未練があったのだろうか。あるいは父と彼女をどこかで見かけ、恋心が再燃したのだろうか。

「どうやって知ったかが謎ですが、息子が就活であちこちの企業を回っていたとき、けっこううちの会社や彼女の勤務先の近くにもいたようだし、僕らはときどきランチも一緒にしていたから、どこかで見かけたのかもしれないとは思います」

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