グラビアアイドルたちが続々と「ボディーコンテスト」に出る“意味” 11月のグラビアを振り返る

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 売れない雑誌、水着に厳しくなる社会、その一方で紙から電子書籍へのシフトと大きな変化を見せているグラビア。その動きを月単位でグラビア評論家の徳重龍徳が振り返る連載「上善は水着のごとし」。11月のグラビアのトピックスは……。

規制されがちな時代に…貴重な“チャンス”

 11月はグラビアアイドルのボディーコンテストでの活躍が印象に残りました。

 11月19日に両国国技館で開催された「ベストボディジャパン2023」では、スリムでくびれた体を競う「モデルジャパン部門」のガールズクラス(18歳~29歳)で奈月セナさんがグランプリ、グラビアやレースクイーンとしても活躍する仲原ちえさんが準グランプリに輝きました。またレジェンドグラドルである愛川ゆず季さんもバランス良く筋肉の付いたスタイルを競う「フィットネスモデル部門」レディースクラス(35~49歳)で4位となりました。

 後日、仲原さんに話を聞くと「レースクイーンとして、自分の体を客観視したとき、このままじゃダメだと思い、誰に見られても恥ずかしくない見た目になるよう出場を決意しました」と語っています。また参加者については「3分の1ぐらいはインフルエンサーやモデル、グラビアなど表に出る仕事をしていたと思います」とのこと。実際に調べると元アイドルや現役のバーレスク東京のダンサーなども参加していました。

 ボディーコンテストへ参加することは仲原さんのように自分の研鑽にもつながりますが、実はグラドルにとっては別の利点もあると考えています。近年ポータルサイトで禁止されている水着の写真が堂々と掲載できるのです。

 現在、ネット上でニュースを配信するポータルサイトでは、グラビアに関する記事は厳しく規制されています。仮に水着写真を使うとポータルサイトの運営側から怒られますし、写真がなくてもグラビアに関する記事は読まれないよう、ランキングから除外されることもしばしば。 事実上、水着写真の配信はできません。しかしボディーコンテストはスポーツに近いと捉えられるためか、ビキニの写真であっても配信されています。

 表現の自由の観点から考えれば問題があり、グラドルという仕事に対する職業差別とも捉えられかねないポータルサイトの厳しい規制。この規制によりグラドルが水着になるイベントを取材する媒体も減少しています。そんな中でボディーコンテストはグラドルにとって“仕事着”である水着をアピールできる数少ないチャンスといえそうです。

グラビア界の峰不二子いすぎ問題

 SNSフォロワー数300万人以上というインフルエンサーの阿部なつきさんが「週刊プレイボーイ」で水着姿を披露しました。それ自体は素晴らしかったのですが、気になったのは「令和の峰不二子」というキャッチフレーズ。アニメを代表するナイスバディーキャラである「ルパン三世」の峰不二子からきているのですが、この峰不二子というキャッチフレーズそろそろやめにしませんか。

 なぜならグラビア界では完全に峰不二子は飽和状態だからです。ざっくり調べただけでもこんな感じです。

“リアル峰不二子”小倉優香(現・小倉ゆうか)
“リアル峰不二子”松嶋えいみ
“リアル峰不二子”染谷有香
“リアル峰不二子ボディー”七川楓
“Iカップの峰不二子”奥村梨穂
“AIが選んだグラビア界の峰不二子”みねりお
“令和のリアル峰不二子ボディー”渋谷ゆり

 国民的アニメのキャラとはいえ、さすがにこすられすぎでしょう…。

 オードリーの若林正恭さんが、ある舞台で「ドラゴンボール」で例えたら客席がまったく受けなかったのに、次のハライチの澤部佑さんが「ワンピース」で例えたら爆笑をとったという話があります。発想が古くならないことがいかに大事かを表したエピソードです。

 現在グラビアファンの年齢層は高くなっていると言われていますが、今後を考えれば若い世代に目を向けてもらう必要があります。そう考えるとナイスバディー=峰不二子はそろそろアップデートする必要があるんじゃないでしょうか。

 ちなみに10代の子に話を聞いたら「『ワンピース』のナミやニコ・ロビンのほうがわかりやすい」「『鬼滅の刃』の甘露寺蜜璃 ちゃんの方がいい」と返ってきました。

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