「ルフィ・今村被告」と原宿署内でLINE通話した在フィリピンの暴力団関係者の正体 狙いは脅しかエールか

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接見禁止中なのに

 自称「ルフィ」が統率するグループによる連続強盗・特殊詐欺に絡んで、「指示役」とされる4人がフィリピンから強制送還されたのは今年2月のこと。特殊詐欺では60億円以上が奪われたと警察トップは会見で明らかにし、強盗事件では被害者が殺害されるなどしている。これまで犯罪規模の大きさから暴力団の関与が疑われてきたが、その見方を強める動きが出てきた。11月28日、ルフィのメンバーと留置施設で接見中の弁護士が外部の人間と電話をつなぎ、メンバーに口止めをさせた疑いがあるとして、警視庁が弁護士事務所を捜索。問題は、その通話先である。

 過去に特殊詐欺に関与したとして強盗致死罪などで起訴されているのは、渡邉優樹(38)、今村磨人(39)、藤田聖也(38)、そして小島智信(45)の4被告。今回の警視庁の捜査はこのうち今村被告に関連する事案だという。

JPドラゴン側の意向

「警視庁は28日、広島弁護士会所属の48歳の男性弁護士Kの自宅と法律事務所に証拠隠滅の容疑で家宅捜索を行いました。K弁護士は2月下旬、窃盗容疑で逮捕されていた今村被告と警視庁の原宿署で接見。この時、フィリピンにいる今村被告の知人男性とLINEで会話させ、知人が特殊詐欺事件について今村被告に口止めをするのを手助けした疑いがもたれています」

 と、担当記者。今村被告は当時、接見禁止中で弁護士以外との接触を裁判所から禁じられていた。

「弁護士との面会時には署の係員がつかず、被告や被疑者と1対1の秘密面会になります。今回、K弁護士は外部の第3者と今村被告とを接触させ、証拠隠滅を図ったと警視庁は見ているわけです。弁護士の事務所や自宅に家宅捜索をするというのはなかなか大変なことなので、捜査当局の強い意志を感じさせます」(同)

 気になる通話相手の「知人男性」は、フィリピンで「JPドラゴン」と呼ばれる組織の幹部なのだという。

ルフィの上役がフィリピンに

「K弁護士は今村被告の弁護人ではなく、JPドラゴン側が仕立てた人物で、組織の意向を伝えるべく今村被告に何度か面会していたようです」(同)

 JPドラゴンについてはこれまで何度か触れてきたが、改めて竹垣悟氏(NPO法人主宰、元山口組系暴力団組長)に解説してもらおう。

「一味の特殊詐欺の実態をよく知っていた人物が語ったところによると、グループを統率するさらなる上役として、序列の順にA、B、そしてCがいるそうです。Cは4被告のうち渡邊被告と親しく、同じ北海道出身で本名以外に“板井”とか“今野”といった名前も使っていたと聞きました。6代目山口組の3次団体の幹部と深い間柄だということですから、ヤクザとのつながりが強く推認させられる話ですね」

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