【旧ジャニ問題】熱心に報じる「朝日新聞」と消極的な「テレビ朝日」 同じ「朝日」でなぜこうも違うのか

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 ジャニー喜多川氏が引き起こした性加害問題を巡り、テレビ朝日は自らが沈黙した理由について検証する特別番組を本日12日に放送する。NHKと在京民放4局は既に検証番組を放送しており、テレ朝は最後。関連会社の朝日新聞が性加害問題を追及する急先鋒と目されるのに対し、テレ朝の姿勢は消極的に映る。背景には何があるのか。

朝日とテレ朝の論調の落差

 英BBCがジャニー氏の性加害問題を世界に向けて報じた3月から11月6日までに、朝日新聞はこの問題に関する記事を約260件掲載 した。読売新聞は約200件、毎日新聞は約240件である。朝日は性加害問題に最も熱心に映る。

 朝日は論調も一番厳しいように見える。ジャニーズ事務所が社名を「SMILE-UP.」に変更した翌日の10月18日の社説にはこう書いてある。

「芸能界で強い影響力をふるってきたジャニーズ事務所がきのう、社名を変更した。過去に例を見ない大規模な性暴力・児童虐待事件の代名詞となった屋号は姿を消した。しかし、会社の本質は変わっていないのではないか」(朝日新聞10月18日付朝刊の社説より)

 一方、テレ朝の篠塚浩社長(61)は旧ジャニーズ事務所について10月31日の定例会見で「社名も変更し、被害者と面談も始まるなど徐々に前に進み始めている」と評価した。朝日とテレ朝の考え方には随分と隔たりが感じられる。

 朝日は10月18日の朝刊で「性加害、企業は加担しない決意を」と題し、日本共創プラットフォーム代表でパナソニック社外取締役などを務める冨山和彦氏(63)のインタビューを掲載した。冨山氏は日本航空などの再生に取り組み、内閣府などの政府委員を務める人物で、いわば“日本株式会社”のご意見番である。

「まずは(旧ジャニーズ事務所との)契約を解除すべきです。だって、お金を払っているということは、加担してしまっていることになりますから。まずは加担している状態をいったん停止する必要があります。そのうえで、問題が解決すれば再開する、それが筋です」(冨山氏)

 旧ジャニーズ事務所の補償問題は何ら解決していない。被害の認定、補償の金額を巡り、トラブルが発生する可能性も捨てきれない。それもあって、一般企業は冨山氏の言葉に沿うかのように、旧ジャニーズ勢との取引再開や新規契約の動きを見せていない。

もはや性加害問題は解決したかのよう

 ところが、同じ企業でもテレ朝など民放は独特。温度差はあるが、各社ともSMILE-UP.の改革を評価している。身近なところで起きていた性加害問題は長く見過ごしたが、SMILE-UP.が行う補償問題は先々までうまくいくことが見通せているらしい。また、エージェント新社は経営陣も資本構成も不明なのだが、問題にされていない。

 稲垣吾郎(49)、草なぎ剛(49)、香取慎吾(46)ら退所者が画面から締め出された問題は公正取引委員会が関心を示していたものの、スポンサーが重視していないためか、民放は論点にすらしていない。また、世界に類を見ない性加害は国辱的問題なのだが、国民感情は完全に無視されている。

 テレ朝の場合、所属のジュニア(旧ジャニーズJr.)によるバラエティ「♯裸の少年」(土曜午後4時)を11月4日で終了させたものの、同18日からはやはりジュニアが登場する新番組「カクエキ!」が始まる。どうやら民放の考え方では、人権侵害が絡む深刻な不祥事であろうが、社名や番組名を塗り替え、中身をいじったら、済んでしまうようだ。

 また民放は、二言目には「タレントに罪はない」である。だが、現役タレントの補償はSMILE-UP.が考え、すべきこと。取引先に過ぎず、性加害に加担した一面もある民放が考えることではない。SMILE-UP.には1000億円を超える資産があるとされるのだから、タレントの補償は容易だろう。

 民放の本音はビジネスのために旧ジャニーズ勢のタレントを使いたいのだから、おためごかしを公言すべきではない。もし、本当にタレントのことを考えているのなら、どうして何の罪もない退所組を幾人も斬り捨てたのか。説明がつかない。

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