遅刻、物忘れ、遺失…ネット上にはフワちゃんを心配する声が多数 発達障害の専門医はどうみているか

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同調圧力とADHD

 ADHDには治療薬がある。日本で認可されているのは4種類あり、そのうち1種類は児童用だ。そのため、大人の場合は3種類の薬を試すことになる。

「いずれも集中力を回復してミスをなくし、衝動を抑える効果があります。効果は人それぞれですが、劇的にミスが少なくなった患者さんもいます。また、ADHDの患者さんは睡眠障害を併発することがあります。起床と就寝のリズムが狂い、学生なら不登校、社会人なら欠勤や遅刻の原因となります。ADHDの治療薬にはリズムを回復させる働きもあり、服用すると登校や出勤できるようになったというケースもあります。ただし、結局は本人が『今の自分から変わりたい』という強い意思を持っていることが条件です。親に言われて、上司に言われて嫌々来たという患者さんは、それこそ受診も不規則で薬を飲み忘れてしまいます。診察に遅刻することも日常茶飯事で、これでは治療効果は出ないですよね」(同・岩波氏)

 日本社会は同質性が顕著で、同調圧力も強い。ADHDのような“個性の固まり”というタイプにとっては生きにくい社会だ。ADHDの帰国子女などは、移民が多いなど多様性のある欧米社会のほうが楽だったと振り返ることが少なくないという。

社会生活を立派に営む患者

「発達障害の中では、ADHDの患者さんが最も多いと考えられています。様々な統計がありますが、大人だと4~5%というデータが多く、日本人の人口に当てはめると500万人くらいになります。日本はADHDに厳しい社会ですが、それでも多くの患者さんは、症状に苦労しながらも社会生活を立派に営んでいます。そういう意味では、彼らは薬を服用していたとしても健常者の一部だと言えるでしょう。ただし、ADHDには共通した特性があり、それを理解しておくと日常生活を過ごす上で対処が容易になります。自分はADHDの可能性があると思ったら、情報を集めたり、病院を訪れたりすることによって、自分の症状や問題点を認識し、毎日の生活を送ることが必要です」(同・岩波氏)

 フワちゃんはフリーランスのため、本人の公式サイトなどを通じて記事の主旨を説明、コメントの検討を依頼したが、10月16日までに回答はなかった。

註1:「何がしたいの?」フワちゃん、指原莉乃から怒られる…英語の勉強に20万円払うも何もやらず「客だし」と悪態(FLASH・電子版:9月26日)

註2:仕事に妥協しない「職人」 MCに合わせ魅力引き出す 有吉弘行、Netflix番組で絶妙アシスト(毎日新聞・電子版:4月1日)

デイリー新潮編集部

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