メイドカフェの“キャバクラ化”に、“デート券”を販売するコスプレイヤー 過激さばかりが増す「オタク業界」の不都合な真実

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

生誕祭に命をかけるメイドたち

 キャバクラやホストクラブのキャストにとって、誕生日に行われるイベント、すなわち生誕祭は最重要イベントである。生誕祭でいかに集客し、金を使わせるかは、人気を示すバロメーターであるためだ。

 前出のメイドカフェのメイドにとっても、生誕祭は重要な機会である。メイドに取材すると、なじみの客とLINEやXでこまめに連絡をとり、「自分がこの店で生き残るために、その日はどうしても売り上げが必要なんです!」などと、来店を促すのだという。店の規約で連絡は禁止されているのでは、と聞くと、「周りもやっているし、生誕祭に私は命を懸けているので、そんなことは言っていられない」と返された。

 ちなみに、生誕祭当日のメニューを見ると、高額なシャンパンの横に「特典は要相談」とあった。この“特典”とは何か。メイドに聞くと、躊躇しながらも、「具体的な内容は、お客さんと相談で決まります。例えば、別の日に店外でデートができたりとか……」と話した。性的なサービスはないと言うが、信頼できる客であれば「サービスの内容は弾みます」とのことだ。

 やっていることはキャバクラと一緒ではないのか。そうメイドに問うと、「当店のシステムはキャバクラとは違う」と言い張る。しかし、どう考えてもキャバクラと変わらない。メイドは若いため、キャバクラのシステムを知らないのだろう。そして、店側もメイドが無知であることを利用し、こうしたサービスをさせていると思われる。

 生誕祭では、メイドの全身をあしらったアクリルスタンドや、顔がプリントされたTシャツなどのグッズを販売する例が目立つ。推しがいる客は、メイドのグッズを大量に買いまくり、愛の深さをアピールする。周りの客を意識して、何本もシャンパンを開けまくる。

 新興宗教顔負けの集金システムだが、“推し活”という言葉で括られると若年層は抵抗がなく、その日のために貯めてきた金を惜しげもなく使うのだという。しかし、しつこいようだが、やっていることの実態はほとんどキャバクラと同じなのである。

次ページ:秋葉原で摘発が相次ぐ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[2/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。