ドリル優子の原点はここに 初の女性宰相候補「小渕自民党選対委員長」の超デタラメな政治資金

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宙に浮いた1326万円

 そして、この自民党群馬県ふるさと振興支部からも、明治座に対し、同じ10年10月1日の日付で約844万円が支払われていた。報告書に添付された領収書のコピーを確認すると、2枚の番号は連番。つまり合計1688万円の支出を2等分し、異なる団体の支出として別個に届けたというわけだ。

 これにより、謎の“差額”は1316万円に広がってしまったことになる。
同じく11年についても、小渕優子後援会は「観劇会」名目で369万3000円の収入を得ているものの、明治座に対しては「入場料食事代」として10月5日に848万8000円を支払っており、ふるさと振興支部からも同日、847万1030円の支出が――。

 差し引き1326万円が、やはり適正に処理された形跡のないまま、宙に浮いてしまっているのだ。

 明治座の関係者に聞くと、

「貸切公演の場合は、定価の3分の2ほどに値下げさせて頂いておりますが、あまり観客が少ないと役者も演じにくいため、大体1000人を目安としてお願いしております」

 通常の公演では1、2階の合計約1200席がS席扱いとなり、定価1万2000円であれば貸切時は8000円に値引きされる格好だ。が、先述した2年分のケースは、“参加費”として集めた金額が、いずれもたったの370万円程度であり、1000人と見積もっても一人3700円だ。

裏金か完全な横領か

 さらに、

「往復に使う観光バスの代金として、例えば11年には明治座への支出と同じ日付で地元のバス会社に244万9300円の支払いがなされているのです」(前出・中之条町関係者)

 従って、差額はさらに拡大。仮に収支が記載の通りであれば、選挙区の有権者らに破格の安さで芝居を観せたことになり、利益供与にあたり、さらに集票目的とみなされれば公選法221条の「買収」となるケースである。

 それでも、実際に参加した女性部関係者によると、

「明治座の大会には、いつも1万2000円の会費を払って参加しています。11年は小林幸子さん、12年は梅沢富美男さんと中村玉緒さん、昨年は石川さゆりさんのお芝居と歌を観ました。料金には、切符代からお弁当代、バス代が全て含まれますし、後日、余ったお金が戻ってきたようなことは一切ありません」

 となれば、徴収した会費はトータルで1000万円を超えるはず。政治資金に詳しい神戸学院大学法科大学院の上脇博之教授が言う。

「1万~2万円なら会計ミスで通るかもしれませんが、これだけ巨額では見逃すわけにはいきません。報告書の不記載ないし虚偽記載にあたり、それを行った者や、場合によっては団体の代表までも罰則を受ける可能性があります。さらには、この誤魔化した収入を政治資金に充てたのならば“裏金”ということになりますし、誰かがプライベートで使っていれば、完全な横領です」

 いずれにしろ、お咎めなしでは済まされそうにない。

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