「裏切ると“報復部隊”が実家に」「金庫番の報酬は500万円」「情報屋は野放し」 ルフィ事件・捜査最前線はここまで進んでいた!

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「金庫番の報酬は500万円」

 14都府県20件に及び死者も出した広域強盗団による連続強盗事件(通称「ルフィ事件」)。一時期と比べて報道の量は激減したが、警察が威信をかけて注力しただけあって、捜査はこの間確実に進んでいたようである。

 執念の捜査から浮かび上がったのは、指示役と実行役以外の陰で暗躍する「情報屋」「金庫番」の存在。問題は、彼らはいまだに捜査の網をかいくぐり、身を潜めているという現実だ。

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「事件は指示役と実行役だけで引き起こされたものではない」

 声を潜めて打ち明けるのは、捜査関係者だ。

「捜査資料が浮き彫りにするのは、“情報屋”“金庫番”といった存在で、こいつらがいかに重要かということ。それは、彼らの報酬にも表れている。犯行には通信後、メッセージがすぐ消えてしまうテレグラムが使われていたため、捜査は難航すると思われていた。だが、われわれは特殊なシステムを活用して復元することに成功したんだ。これにより細かい指示内容ばかりか、盗品処分や金の流れも追うことができた。加えて実行犯たちだけではなく、赤坂、新宿、綾瀬にも手渡しによる送金先があることが判明した。こいつらは“たたき”(強盗)のターゲットに関する地下情報を提供する情報屋や、事前に犯行資金を渡す金庫番的な存在だった。広島事件では現場の実行犯は高くても100万円、多くは50万円しかもらえず、運転手役に至っては無報酬だった。しかし、情報屋になると170万円や200万円、金庫番は計500万円近くもの報酬を懐に入れていた」

“玄関からのアタックが確実です”

 情報屋の一人は赤坂が拠点のS・A(28)。広島に土地勘があり、「この店はセキュリティーが甘く、防犯カメラもない」「金庫に3千万円の現金が入っている」などの情報を提供。広島県警関係者が言う。

「本人か手下が現地で下見もしている。詳細な情報をルフィに送り、“玄関からのアタックが確実です”との助言もしていた」

 金庫番は綾瀬でフィリピン人との偽装結婚をあっせんするブローカーのH・M(65)。

「ルフィらと同時期にフィリピンの入管施設に収容されていて、接点がある。この親族の女(41)も犯行グループの後方支援役に準備資金を口座送金するなどして関わっていた」(同)

 H・Mは1度ルフィ事件関連で逮捕されているが、その後、なぜか釈放されている。

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