「故意死球」も当たり前!? 松井秀喜も激怒した“日本球界最悪クラス”の問題児助っ人がやらかしたこと

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「早く再開しろ!」

“暴れん坊助っ人”といえば、球審にボールを投げつけたバルビーノ・ガルベス(巨人)や“乱闘王”フリオ・ズレータ(ソフトバンク→ロッテ)らの名が挙がる。そんな生粋の暴れん坊たちとは別に、カッとなりやすい性格から何度もトラブルを起こした“問題児”として知られているのが、阪神、巨人でプレーした左腕、ダレル・メイである。【久保田龍雄/ライター】

 1998年の開幕直前に阪神と契約したメイは、6月6日の横浜戦で来日初勝利を完封で飾る。だが、2勝目を狙った7月2日の中日戦では、“短気は損気”の見本のようなぶち切れ投球を演じている。

 4回まで被安打2、無四球、無失点のメイは、1対0の5回も2死二塁とし、あと1人で勝利投手の権利を得るところまで来た。

 ところが、次打者・山口幸司のカウント2-1のとき、突然大雨が降り出した。すると、中日・星野仙一監督がベンチを飛び出し、真鍋勝巳球審に「オレは投手をやっとったからわかるが、あの状況では投手が気の毒やろ」と試合中断を要求して、長い抗議を続ける。

 早く3つ目のアウトを取ってベンチに戻りたいメイにとっては、まさに有難迷惑。イライラからロージンをマウンドに叩きつけ、「早く再開しろ!」と吠えつづけた。

 そして、試合再開後、頭に血が上って集中力の切れたメイは、雨が上がったにもかかわらず、山口から4打者連続四球。2つの押し出しで逆転を許してしまう。

 皮肉にもこの2点が致命傷となり、1対2で負け投手に。吉田義男監督は「悪夢みたいな感じでしたな。あのあと、彼はベンチから離れず、頭を抱えてましたわ」と同情し、星野監督は「結果的にこっちが正解やったな」と、してやったりの表情だった。

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