【町田銃撃事件】事情がわかるとかえってナゾは増えてしまい 「高山若頭」秘書の山下会長の悔しさは増すか?

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知り合ったのは宮城刑務所

 今からおよそ3カ月前の5月26日午後7時半ごろ、東京・JR町田駅に直結するターミナルビル内のカフェで男性が拳銃で撃たれ死亡した事件をご記憶の方も多いだろう。死亡した男性も発砲した側も暴力団関係者という構図だったが、事情がわかるにつれてかえって謎も増えるという複雑な状況となっている。

 撃たれて死亡したのは6代目山口組の2次団体・極粋会の舎弟・鈴木英東(ひでとう)組員(51)。殺人と銃刀法違反の罪で逮捕・起訴されたのが、稲川会の2次団体・一ノ瀬一家元組員の佐々木誠被告(58)だった。

 佐々木被告は各方面からカネを集めてFXなどに投資していたようで、鈴木舎弟からも500万円ほどを借りていたという。催促しても一向に返済がなく、そのための話し合いが持つべく、落ち合ったのが事件現場のカフェだったとされてきた。

 2人の接点は宮城刑務所で服役中だったようだ。それぞれが服役することになった事件をおさらいしておこう。

500万円を借りていた

 鈴木舎弟は2001年3月~4月にかけて三重、千葉、新潟の3県で発生した連続窃盗・強盗傷害事件の主犯格として同罪で起訴され、新潟地裁で懲役14年の刑が下っている。仲間らと共謀し、モータープールや工場からポルシェやセルシオなど計16台(約1億円相当)を盗み、転売。さらに、現金約2200万円を積んだ会社社長の乗用車にわざと追突し、車ごと現金を盗んだ……などの犯行を行ったとされる。

 一方の佐々木被告は、1999年、神奈川県内のパチンコ店に押し入り、経営者の首を切るなどしてケガを負わせ、現金約200万円などを奪った疑いで、強盗殺人未遂容疑で逮捕されている。

 出所後、佐々木被告は鈴木舎弟に借金を申し込み、500万円ほどを用立ててもらった。

 その返済をめぐる話し合いがこじれた挙句の犯行――というのが当初の見立てだった。

 鈴木舎弟の親分である極粋会の山下昇会長は本件発生時、ETCカードの不正使用の件で当局に身柄を拘束されていたが、現在は保釈中の身だという。

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