【ススキノ頭部切断殺人】田村瑠奈容疑者はナイフの収集家だった…小学生時代に同級生を脅迫した逸話との関係性に注目 異常な「動機」の可能性も

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 北海道放送(電子版)は8月18日、「瑠奈容疑者は『趣味でナイフ集め』修容疑者が弁護人に話す 弁護人は両親の共謀否定するコメント ススキノ首切断殺人」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。事件の謎を解く核心部分が浮かび上がってきた可能性がある。

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 札幌市・ススキノで会社員の男性が殺害され、その頭部が切断された事件で、北海道警は14日、無職の田村瑠奈容疑者(29)と父親で医師の修容疑者(59)、母親でパート従業員の浩子容疑者(60)の3人を殺人容疑で再逮捕した。

 北海道放送の記事によると、被害者の頭部を自ら切断したとされる瑠奈容疑者は、ナイフの収集家だったという。驚いた読者も多かったに違いない。この件に関する道警の捜査を報道から丁寧に振り返ってみよう。

 北海道新聞は18日、「容疑者宅 刃物10本超押収*ススキノ殺人*4本のこぎり」との記事を朝刊に掲載した。ポイントは以下の通りだ。

◆捜査本部は3容疑者の住む自宅から、少なくとものこぎり4本を含む刃物10本以上を押収した。

◆大半は瑠奈容疑者のもので、以前から刃物に強い関心を持っていたとみられる。

◆瑠奈容疑者と修容疑者は事件前に札幌市内の量販店を複数回訪れ、ナイフやのこぎり、おもちゃの手錠などを購入していた。

 翌19日、読売新聞が「ススキノ殺害 両親『共謀していない』 弁護人に 自宅の刃物『娘の趣味』」との記事を朝刊に掲載した。

◆捜査関係者によると、押収した刃物は約20本。

◆読売新聞が弁護士に取材したところ、両親は「娘が男性を殺害したことは事件後に知った。一切共謀はしていない」と主張しているという。

◆弁護士によると、修容疑者は刃物の購入について「娘は普段からナイフを趣味で集めていて違和感はなかった」と説明したという。

木刀に対する関心

 新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(社会心理学)は「瑠奈容疑者が男性を殺害しようと決心し、事前に入念な計画を立てていたとしても、犯行に20本もの刃物が必要だったとは考えられません」と指摘する。

「瑠奈容疑者は以前から刃物に興味を持ち、収集していたと見るのが自然でしょう。ナイフの愛好家は男性に多く、女性は珍しいと言えます。瑠奈容疑者は1人で男性を殺害し、頭部を切断した容疑で逮捕。ナイフやのこぎりが凶器として使われたとみられています。瑠奈容疑者がナイフの収集家だという事実は、犯行動機や殺害方法、死体損壊と関係があるのかどうか、真相解明のため捜査本部が力を入れるのは当然だと考えられます」

 瑠奈容疑者の生い立ちを振り返ると、気になる点が浮かぶ。彼女が小学生の時の「刀」と「刃物」に関する2つエピソードが明らかになっているからだ。

 1つ目は卒業アルバムに掲載された修学旅行の回想だ。文中に《女子で木刀を買ったのが私だけだったのは、ちょっと意外でした》との一節があり、これが注目を集めた。刀に対する興味が記されていただけでなく、「自分のように刀に興味を示す女性は少ないようだ」という驚きも綴られていたからだ。

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