日大薬物事件、“隠蔽”疑惑にチラつく田中元理事長の影 「調査の実働部隊のトップはゴリゴリの田中派」

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「悪質タックル問題」「背任・脱税」で激震が走ったマンモス校・日本大学が再び揺れている。林真理子・新理事長(69)が就任して1年。今度はアメフト部員が大麻と覚醒剤を所持していたことが明らかになり、さらに、発覚までの“不審”な経緯に注目が集まる始末なのだ。

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 マンモス大学の“魔窟”ぶりは新体制になっても変わらなかったということだろう。今月5日、日本大学アメフト部所属の北畠成文容疑者(21)が、学生寮で大麻と覚醒剤を所持していたとして逮捕された。

 日大アメフト部といえば、2018年の悪質タックル問題で世間から猛批判を浴びたのは記憶に新しい。さらに一昨年には、日大の“ドン”と呼ばれた田中英壽元理事長(76)が、日大医学部附属板橋病院を巡る背任事件に絡み、脱税があったとして東京地検特捜部に逮捕・起訴された。かつては暴力団などとの“黒い交際”がささやかれ、絶大な権力を学内で行使してきた田中氏。逮捕・起訴は権勢を振るった日大からの事実上の退場を意味していた、はずだった。

 田中体制からの脱却を目指し、22年7月に日大執行部が新理事長として迎えたのが、作家の林真理子氏である。薬物が見つかったのは、“膿を出し切る”として大学改革を行っていた、その最中の出来事だった。

今回の事件の前に“前段”が

 警視庁担当記者が解説する。

「今回、北畠容疑者が所持していたのは、微量の乾燥大麻と覚醒剤成分が含まれた2錠の錠剤でした。7月上旬の大学による調査で寮から発見されたのです」

 今回の薬物問題には“前段”があった。昨年秋から冬にかけ、大学側がアメフト部の「大麻疑惑」を調査していたのだ。

「昨年、日大と警視庁の双方に“部員が大麻を持っている”旨の情報提供がなされたそうです。ただ、警視庁への情報は十分ではなく、ガサには至らなかった。そこで、その年の12月に警視庁が日大生を対象とした薬物乱用防止のための講座を開いています。日大の方でも調査を行いましたが、薬物が発見されるには至らなかったのです」(日大関係者)

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