日大薬物事件、“隠蔽”疑惑にチラつく田中元理事長の影 「調査の実働部隊のトップはゴリゴリの田中派」

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発見から通報までになぜ2週間も?

 実は事件が発覚するまでの間、アメフト部員の保護者を名乗る人物から複数のメディアや大学関係者に、大麻が見つかったという告発文書が送られていた。

 7月10日付のその文書にはこう記されている。

〈7月上旬に日大本部職員が数名アメリカンフットボール部寮に立ち入り、いきなり学生達のベッドや鍵付きの金庫まで全てひっくり返し、持ち物検査をしたとのことです〉

〈その時、(中略)出てきたのが植物片の入ったパケでした〉

〈当該学生にはまたもや何の処分もなく、警察にも通報していません。このまま、隠蔽(いんぺい)するつもりでしょうか。林真理子理事長はご存じでしょうか〉

 この告発文が送られた後、18日夜に日大が警視庁に通報している。なぜ、発見から通報までに約2週間もの時間がかかってしまったのか。その間、薬物が学内に保管されていたというから、驚くべきことである。

「競技スポーツ部が問題で……」

「今回、大学が隠蔽を意図したなんてことはないと信じたいですがね……」

 とは、事情を知るさる日大OB。

「今回の調査の責任者は元検事の澤田康広副学長です。そんなことは考えもしないと思いますよ」

 先の日大関係者は、

「薬物の調査の実働部隊は澤田副学長に加え、学内の競技スポーツ部が担当していました。その部が問題で……」

 と、別の見解を示す。競技スポーツ部とは、日大本部に属する、運動部を統括する組織のことだ。もちろん、アメフト部も競技スポーツ部所管の一つである。

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