エッフェル塔ポーズ「松川るい参院議員」が自覚できなかった無神経さゆえの攻撃性

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観光そのもの

 改めて、全4日間の日程をざっくり見てみると、以下の通りだ。

1日:パリに到着後にディナー
2日:ショッピング→国会など見学→エッフェル塔で記念撮影
3日:保育園視察→ルーブル美術館→シャンゼリゼ通り散策&ショッピング→日本大使館での講義
4日:フリー

 もちろんすべてが観光ではないのだが、一般企業でこんな「出張」をやったらクビになっても不思議はないのである。

「この日程だと観光そのものと言われても仕方がないですね(笑)。もちろんこれに限らず、以前から、この手の視察がマジメに行われていると思っている人はあまりいないと思います。通常なら知られることのなかった旅行の実態が、“エッフェル塔”写真でビジュアル化されてしまった。それゆえにマイナスのインパクトが大きかった印象です」(同)

 物価は高騰し続け、円安のせいで海外旅行のコストは跳ね上がり、猛暑日は続き……と国民の間ではフラストレーションが溜まっている。気温こそ政治家のせいではないものの、それ以外の件については、政治の責任だと感じる人は少なくない。

世界はなぜ地獄になるのか

 それなのに、古き良き時代のセンスそのままに、「視察という名の観光旅行」を実行しているとアピールすれば、反発を買うことは必至だろう。

 世論とのズレがあるのは、事ここに及んでも、「発信の仕方が悪かった」という調子で問題を矮小化しているところである。松川議員は、旅行そのものは有意義であったが、SNSでの発信内容に問題があったがゆえに「誤解を与えた」点について謝罪をしている。つまり旅行自体は問題ないという認識を貫いているのだ。これは自民党も同様である。

 ということは、発信内容を適切にしておけば、今回のような騒動は起きなかった、という主張になる。こうした主張の背景には、どこか「SNSで炎上を起こしているのは特殊な人・クレーマーのような人」という捉え方があるのではないか。

 しかし、こうした認識は改めたほうがいいだろう。
作家の橘玲氏は新著『世界はなぜ地獄になるのか』(小学館新書)でこう綴っている。

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