スーツは「洋服の青山」で新幹線は普通席…ビッグモーター・兼重宏行社長の「ドケチ伝説」と2代目「MBA息子」の“傲慢LINE説教”

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マカオ社員旅行で見せた“弱気すぎる”ギャンブル

 経営者としては、「謙虚で自分にも厳しく、部下をやる気にさせることに長けていた」と評価する。

「アイツはダメだと考えたら決断は早くて、1カ月も経たないうちに降格させることもありました。ただ、次のチャンスはちゃんと与える人です。頭ごなしに怒鳴られたことは一度もありません。たまに声を荒らげることはあるのですが、『いけん、いけん』ってすぐに冷静になって、『あんまり怒らせんとってよ、年なんじゃけぇ、死んだら困るじゃろ』などと取りなしてくる。社員には新入社員であっても、必ず”さん”付けで呼ぶ人で、私たちも『兼重さん』と呼んでいました」

 全国の店舗を行脚する時も、一人で電車を乗り継ぎ、最寄り駅から歩いてやってきたという。新幹線も指定席すら乗ろうとしないので、幹部になってもグリーン車は乗りづらかったと振り返る。

「スーツも好んで安物をまとい、『これ洋服の青山で2着セット3万だったんだけど、高く見えるじゃろ』って変な自慢をしてくる。めちゃくちゃケチなんです。ニュースなどで彼が住んでいた東京・目黒区の『20億円豪邸』がクローズアップされ、金満社長のようなイメージがついて回っていますが、私が知っていた頃とは全く別の姿です。車もBMWやベンツの中古車を買う。私たちも『兼重さんがEクラスなら俺らはSには乗れないな』と遠慮していました」

 社員旅行でマカオに行った時も、「みんながカジノ行くなら俺も行く」とついてきた。だが、1万円分しかチップに替えず、2000〜3000円分のチップをチコチコとルーレットの赤・黒に賭け、3回くらい連続して外れると、

「『もういい』と言って残りのチップを社員にあげて、先にホテルへ帰ってしまいました。ケチだけどお茶目な人なんです」

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