スーツは「洋服の青山」で新幹線は普通席…ビッグモーター・兼重宏行社長の「ドケチ伝説」と2代目「MBA息子」の“傲慢LINE説教”

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節々で見せてきた「MBA仕込みのガン詰め」

 宏一氏は早稲田大学卒。海外でMBAを取得して入社してきた。小柄な体型から、社内でつけられていたあだ名は「コナンくん」。Aさんも、兼重氏から頼まれ、宏一氏と一緒に現場を回ったことがあるという。

「一言で言うと生意気です。『今の指導ってどういう意味ですか?』『へー。なるほど。効果があると言うことですね』『はい、わかりました』。こんな感じです。低学歴な社員が多い会社で、自分はMBAを取得しているというプライドをどこかしら出す人で……」

 外部での商談でも同様に強気な姿勢で、

「『それじゃダメだと思うんですよ。なぜ用意していないんですか』『つまり、これは準備不足ってことでいいんですね』『それはあなたの権限で言っているということで大丈夫ですよね』と、矢継ぎ早にゴリ詰めしていました。スイッチが入ると止まらないタイプで、MBA仕込みで弁が立つんです」

 周囲はやりにくくてしょうがなかったが、兼重氏は息子を評価していたという。

「1カ月社内を見せた後、レポートを出させたようなんですが、それがめちゃくちゃ良かったと話していました。兼重さんは息子さんに早く継がせて、引退したかったんでしょう。私がいた時は全く手を出さなかったんですが、5年くらい前からゴルフ三昧だったようで……」

“御意”としか言えない雰囲気だった

 だが、宏一氏が副社長になり、現場に激しく数字を求め出したことで、不正が横行するようになってしまったのだ。

「辞めた社員からは共有LINEでの叱責が凄まじかったと聞いています。兼重さんの時からそうだったんですが、あの会社の社内コミュニケーションはLINEばかり使われていて、私も10〜20くらいのグループに入っていた。宏一さんは共有LINEの中で、部下をゲキ詰めするようなんです。辞めた社員からLINEを見せてもらったこともありますが、人格否定するような激しい文言で、ああ、あのまま悪化していったんだなと思いました。年上の取締役たちも宏一さんのご機嫌取りに必死で、“御意”としか言えないくらいの雰囲気になっていたと聞いています」

 問題発覚後、兼重氏は現場に復帰し、今も体制の建て直しに躍起になっているというが、ここまで失墜した信頼を取り戻せるものなのか……。

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