“義理人情”で偽装、立浪監督の「延命工作」 清原和博氏に「入閣要請」の打算

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名古屋は「清原氏招聘」のウルトラCに戦々恐々

 セ・リーグ最下位に低迷している中日で今オフ、立浪和義監督(53)が清原和博氏(55)を指導者として招聘するとみる向きが多くなっている。上下関係が絶対だったPL学園高では1、3年生の関係で、立浪監督は就任後に清原氏を始球式に招いたり、地元での中日戦で解説者の仕事を斡旋したりと先輩思いの一面を見せてきた。自身は来季が3年契約の最終年。昨季も最下位で進退が懸かることは必至で、チーム関係者によると、巻き返しの秘策として清原氏の入閣を視野に入れているのだという。清原氏は現役引退後、指導者としてユニホームに袖を通したことがない。2016年の覚醒剤取締法違反による有罪判決を経て現場復帰となれば、大きな話題を呼びそうだが、このプランには続投を画策する立浪監督の打算が透けて見える。

 清原氏が解説の仕事でバンテリンドームを訪れた、とある日。一部メディアはブース外で、手ぐすねを引いて待ち構えていた。地元放送局関係者が証言する。

「記者たちは以前から立浪監督による清原さん招聘のニュースを警戒している。少しでも手掛かりをつかもうとしているようで、清原さんはちょっと困惑しながらも取材には丁寧に応じていた」

 もともと清原氏はPLからプロ入りする前、中日には好印象を抱いていた。指名を受ければ、巨人、阪神とともに入団に前向きだった球団の一つに挙げる。しかし、周知の通り、交渉権は西武が獲得。その後、阪神は清原氏が1996年オフにフリーエージェント(FA)宣言した時に巨人とともに獲得に名乗りを上げた一方、中日は動かなかった。

 それが22年に立浪監督が就任すると、ぐっと距離が近づく。昨年7月2日のバンテリンドームでの阪神戦で始球式に登場。古巣西武の試合以来、実に11年ぶりとなる始球式で、中日球団などへの謝意とともに「立浪監督に感謝。事件直後からずっとサポートしていただいていた」と後輩の義理人情への恩義を口にしたのだった。

若手起用で続投アピール?

 今春の沖縄・北谷キャンプ、立浪監督は昨春に続いて清原氏を招いた。

「吉川(克也)球団社長をはじめ、高橋(宏斗)や鵜飼(航丞)らとも会話していた。特に若い選手が清原さんのオーラに圧倒されているようだった。どんな形でもチームに加われば、メディアを賑わすことは間違いない。新聞社である親会社や系列スポーツ紙の売り上げにも好影響があるのではないか」(前出の放送局関係者)

 立浪監督は今季、たとえ最下位でも来季続投が既定路線である。チーム一筋にプレーし、通算2000安打を放った元スター選手だけに、親会社は基本的に契約を全うさせる方針だ。しかし、契約が満了する来オフの去就は流動的。

「来季も低迷するようなら(契約更新が)危ういのは本人も自覚している。このオフは、昨オフのように大きなトレードを断行するかもしれないが、大なたを振るっても勝利につながらないことは今季成績を見ても分かる通り。立浪監督は今や、同じ負けるなら若手を使うと言わんばかりの采配にシフトしている。若手を使えば負けても育成という大義名分が立つ。来季も若手中心に起用し、育成の成果をアピールすることで(再来年以降の)続投につなげようとしているように見えてならない」(NPB球団元監督)

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