“義理人情”で偽装、立浪監督の「延命工作」 清原和博氏に「入閣要請」の打算

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“高コスパ”は暗黒時代の阪神ほうふつ

 さらに元NPB球団社長は別の切り口で、立浪監督の「延命工作」を看破する。

「中日は他球団と同様に(声出し応援が解禁されるなどした)今季は観客動員が上向いた。チームが弱いことを考えれば、上位球団よりも実質的な営業成績としては上と評価できる。しかもチーム成績がこのまま低迷すれば、オフの契約更改で来季年俸が大幅増額する選手が少なくなる。今季活躍した若手はもともとベースが低いので、アップしたとしてもチームの年俸総額としては、しれている。今の中日は球団経営という観点から見れば、極めて“コスパ”が高い。いわば、暗黒時代だった阪神の球団経営に近い状態になっているのではないか」

 こう分析した上で、観客動員にはコロナ禍からの正常化とともに、「少なからず指揮官が外様ではなく、現役時代にミスタードラゴンズと呼ばれた立浪監督であることも寄与していると思う」と語る。その流れで来季は自身の人脈を生かし、圧倒的な存在感でファンやメディアへ強い訴求力がある清原氏の招聘に成功すれば、さらなる観客増が見込める。それはとりもなおさず「立浪監督の功績で、続投を後押しする要因になる」と指摘する。

清原氏は巡回コーチやアドバイザーが現実的

 さるチーム関係者は今後を展望する。

「首脳陣では立浪監督のほか、片岡(篤史)2軍監督がPLのOB。2軍には巨人時代の弟分の小田(幸平)バッテリーコーチもいる。中日には縁がなかった清原氏が加入してきても、すぐに溶け込める。ここ2年は中日戦を多く解説している上、チーム内のOBとの情報交換で各選手の性格や特徴は把握済みだろう。1軍の打撃コーチ職は現職がいるためハードルが高そうだが、打撃部門で1、2軍を巡回するコーチやアドバイザーなど、1軍の勝負からは一定の距離を置いた立場で関わることが現実的ではないか。問題は、立浪監督が腹を決めて球団側に清原氏の招聘を申し出たとき、大島(宇一郎)オーナーら親会社サイドが認めるかどうか。清原氏の事件をどう消化するかが唯一最大の懸案。さすがに(PLの後輩で、立浪監督が就任時にヘッドコーチを要請するも、辞退した)宮本(慎也)さんのように首を縦に振れば決定とはいかない」(球団関係者)

 清原氏はこのほど、同じ巨人OBである槙原寛己氏のYouTubeチャンネルに出演した際に今後の球界との関わり方について「何かしら野球には携わりたい。コーチになりたいとか、監督になりたいとか、そこまでの大きな夢は持てないが……」と控えめに話している。今オフに向けて立浪監督からは昨オフのような大型トレード以上に、清原氏招聘の動きに目が離せない。

デイリー新潮編集部

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