「普通の子やけえ…」「現実味がない」自衛隊銃乱射、容疑者の父と弟が明かした胸の内

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 自衛隊史に長く刻まれるであろう訓練中の候補生による銃乱射・隊員射殺事件。容疑者(以下、A)は幼少期を児童養護施設で過ごし、里親の下を転々とする生活を送りつつ、ある仄暗い思いを抱えて自衛隊を志望した。実の父、弟や同級生に聞いたAの素顔とは――。

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 過酷な鍛錬を積む猛者たちをしても、その瞬間は“防衛”不能の状態だったのか。

 岐阜県岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で今月14日午前9時8分ごろ、同僚による銃撃で自衛官2名が死亡し、1名が重傷を負った事件。現場は幅30メートル、全長340メートルの屋内射撃場だ。

 陸自第10師団が管理し、当日は朝から自衛官候補生約70名による実弾射撃訓練が行われていた。指導にあたる自衛官約50名も参加し、その場には総勢約120名が居合わせたことになる。

 89式小銃の射撃訓練では通常、訓練生は弾薬置き場で直径5.56ミリの弾丸29発を渡される。が、指定の射撃位置である「射座」につくまで小銃に弾を装填することは許されない。また「準備線」で服装をチェックされ、「待機線」で順番を待つ間も、余計な動作をするのは厳にご法度である。

大量の銃弾を手にしていたら…

 ところが、待機場所にいた第10師団第35普通科連隊所属の候補生1名が突如、思いがけない行動に出た。

 周囲に向けて「動くな」と大声で威嚇。待機場所を管理していた八代航佑3等陸曹(25)が即座にこれに反応して制止しようとするが、候補生の男はちゅうちょなく八代3等陸曹の脇腹に発砲した。

 踵(きびす)を返した男は右斜め後方の弾薬置き場を目指し、「弾薬係」の菊松安親1等陸曹(52)の胸を銃撃。続けざまに原悠介3等陸曹(25)の左腿にも銃弾を発射し、返す刀とばかりにもう一度、菊松1等陸曹に銃弾を撃ち込み、とどめを刺した。冷酷無比というほかない。

 男は羽交い締めにされて取り押さえられたが、その間も抵抗。壁などに乱射を続けたのだった。

 菊松1等陸曹と八代3等陸曹は搬送先の病院で死亡が確認され、原3等陸曹も全治3カ月という重傷を負った。

「候補生は犯行目的について、あくまで弾薬置き場から実弾を奪おうとしただけだと話しています。その際に邪魔されたから発砲したのだと」(社会部デスク)

 瞬時に3人を殺傷した男が、制圧もされず、大量の銃弾を手にしていたら……。一体、どんな惨事が続けて起きていたかわからない。

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