オリラジ中田騒動 「松本人志への提言」を現役バラエティ制作者はどう見たか

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「提言」が「放言」になり、失敗

 中田は価値観が松本だけの価値観に固定化しないよう一石を投じたわけで、この点についてバラエティ制作者は一定の理解を示した。

「お笑い界が誰か1人の意見に左右されるようになってしまうのはどうでしょう」(バラエティ制作者)

 中田の提言の真意もこれに尽きる。一方で中田に落胆した部分もあったという。

「自分のネタで笑うためには知性が必要といった発言があった。これはズレていた」(同・バラエティ制作者)

 中田は自分をロシアの文豪のフョードル・ドストエフスキーのような高尚な存在に例えた。ただし、さすがに言い過ぎたと自覚したようで、この部分は後に削除した。

 中田のYouTube動画の本来のテーマは松本の審査員問題だったはず。ところが、どんどん横道に逸れた。その部分が騒動を大きくした。

 中田は「松本さんからディスられている」とも発言した。これでは私憤から審査員問題を俎上に載せたと取られても仕方がない。また、唐突に「これ見てる粗品君、どう思う?」と問い掛けた。お笑いコンビ「霜降り明星」の粗品(30)のことである。

「まぁ、(松本には何も)言えないよね。吉本(興業)から数千万円借りてるし。だから、粗品君、俺代わりに言うわ。『松本さん、審査員やりすぎですよ』って」(中田)

 バラエティ制作者は「今回はやり方を間違えたと思っています」と評する。「審査員問題の提言」のはずが「言いたいことの放言」になってしまったからだ。審査員問題の冷静な議論が出来にくい状態を自らつくってしまった。

 中田は松本の所属先で自分も過去に所属していた吉本にも言及した。「吉本では岡本昭彦社長(56)より松本さんのほうが上」と発言した。審査員問題のみのワンテーマだったら、まだ大義名分があっただろうが、関係のない発言をしたことで無用に敵をつくってしまった。

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