アルパカがぱかぱか歩く神楽坂 30分千円が「触れ合い料」

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子どもは「毛が柔らかくて気持ちいい」と大喜び

 おしゃれなカフェやレストランが軒を並べる東京・神楽坂。そんな神楽坂のとある雑居ビルの入り口からぬっと顔を出しているのは2頭のアルパカ! なんともシュールな光景だが、普通は牧場か動物園でしか出会えないアルパカがなぜ神楽坂に現れたのか?

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「2頭のアルパカを長野の牧場から神楽坂に迎えたのは、今年の4月です。2頭とも穏やかな性格で、お客さんと楽しく遊んでいますよ」

 と語るのは、神楽坂でアルパカ毛のニット製品の販売店「アルパカワールド」を経営する伊藤伸治さん(62)。伊藤さんによれば、こうなった経緯は以下の通りだ。

 かつて伊藤さんが八ヶ岳アルパカ牧場に勤めていたころ、アルパカと触れ合った引きこもりぎみの子どもたちが元気を取り戻し学校に通えるようになった。伊藤さんは東京で同じことを試したくなり、店舗の隣のスペースを借り受け、「アルパカふれあいランド」をオープン。街中でアルパカを飼育することにしたというのだ。

 平日は30分、大人千円・子ども500円で、餌やりやアルパカのふかふかの毛に自由に触ることができる。大人1200円の土日も親子連れで大盛況。50平方メートルほどの飼育スペースがお客さんでいっぱいになることも珍しくない。新宿区から母親と共に訪れた9歳の男の子は体高約1.5メートル体重約70キロのアルパカを見て「最初大きくて怖かったけど、毛が柔らかくて気持ちいい」と大喜び。2頭の集客効果もあり、隣の店舗の売り上げも2割ほどアップしたそうで、伊藤さんもホクホク顔だ。

早朝の散歩に同行してみると…

 週に4回ほど行っている早朝の散歩に同行すると、横断歩道を渡り、弁当屋やコンビニの前をゆうゆうと通り過ぎるアルパカの姿はかなり異様だ。

 神楽坂の名所、毘沙門天の前では、早朝散歩でアルパカに出くわした高齢の女性が驚いて腰を抜かしそうになり、犬の散歩ですれ違った男性は、あまりの珍しさにスマホを取り出す。2頭は行きつけの公園に着くと、ラクダ科の生き物らしく、何度も砂浴びし、雑草を食む。2頭にとっての貴重なリラックスタイムを存分に楽しんだのだった。

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