創価学会大幹部が「萩生田だけは勘弁ならねぇ」 自公の亀裂はもはや修復不可能?

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“本当にその対応でいいのか”と念押し

 森元総理は萩生田氏が所属する清和会(安倍派)に絶大な影響力を及ぼしている「ドン」である。萩生田氏も頼まれれば、ご意向に背くわけにいくまい。

 こうした28区と29区の一連の問題が火種となり、学会と公明党を激怒させることになってしまった。

 怒りの矛先は都連会長でもある萩生田氏に向いている。急先鋒となっているのは創価学会の大物幹部、佐藤浩副会長である。

 1961年生まれの佐藤氏は早稲田大学商学部卒業後、85年に学会本部入りした。

 創価学会に詳しいジャーナリストの乙骨正生氏が解説する。

「学会本部に就職すると、政治を担当するようになり、菅義偉前総理と親交を深めてきました。学会内部でエリートコースを歩んだ佐藤氏は近年、菅前総理とのパイプを生かし、副会長として自民党との交渉を含めた政界との実務を掌握していったのです」

 実は、自公間の候補者調整でも、茂木幹事長らとやり取りしていたのは他ならぬ佐藤氏だった。

 学会関係者がささやく。

「佐藤さんは党幹部の中でも28区と29区で譲らない萩生田さんに対する怒りをあらわにしていました。周囲に“あいつだけは勘弁ならねぇ”とぶちまけていたそうです。佐藤さんは萩生田さんに“本当にその対応でいいのか”と念押ししていたのに、何も変わらなかった。佐藤さんは“こちらが折れると思ってなめているんだろう”と怒り心頭です」

 もはや相手を“仏敵”と言わんばかりだが、学会と萩生田氏とのあつれきには発火点があった。

 統一教会との問題だ。

“茂木と佐藤が…”

 本誌は昨年、参院選の期間中に、当時自民党の候補者だった生稲晃子氏を統一教会の関連施設に萩生田氏が連れて行き、過去にも教会の関連施設で演説などを行っていたと、氏と教会の蜜月ぶりを報じた。

「八王子を地盤とする萩生田さんの前回衆院選の得票数は15万票ほどで、選挙区の学会票は4万4千票あるといわれています。09年には落選経験もある萩生田さんは、学会に頼り切りの“一本足打法”の現状を変えようと、統一教会にも触手を伸ばしてきたのです。しかし、それが週刊新潮の報道で露見し、学会側から不信感を持たれることになりました。そうした中での今回の騒動だったのです」(自民党関係者)

 佐藤氏は他の自民党幹部への不満も漏らしている。前出と別の学会関係者は、

「選対委員長の森山裕さんのことです」

 と名指しし、理由を語る。

「森山さんは選挙区で学会の支援を受けておらず、交渉の中で佐藤さんの要求を突っぱねる場面もあった。茂木さんが佐藤さんの要求をのもうとすると、森山さんが“茂木と佐藤が手を組みやがった”などと陰で吹聴することもありました。それが佐藤さんの耳に入り、森山さんに怒っていたんです」

 パートナーだったはずの両者が憎悪すらぶつけ合う。自公関係のかかる状況に、佐藤氏とじっこんの菅前総理も頭を抱えているという。

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