中日が最下位独走中 立浪監督に誰も口を出せない…あまりに苦しすぎる“現状”

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完封負けは過去最悪のペース

 昨季6シーズンぶりの最下位に沈んだ中日が、今季も低迷している。ここまで12球団最低勝率でセ・リーグ最下位に沈んでおり、浮上のきっかけはなかなか見えてこない(5月24日終了時点)。2年連続最下位となれば、球団史上初の屈辱的な成績となるが、中日ファンがやはり気になる点が、指揮官である立浪和義監督の“言動”ではないだろうか。【西尾典文/野球ライター】

 就任会見では、課題の得点力不足に対して「打つ方は1年間打てないと言われたが必ず何とかします」と発言。現役時代は、通算2480安打を記録するなど、“ミスタードラゴンズ”と呼ばれた球団の歴史に残る名打者で、解説者時代は理論的な語り口が中日ファンの支持を集めていた。

 蓋を開けてみれば、得点力不足は改善されるどころか、今季はさらに悪化している。完封負けは、長いプロ野球の歴史のなかで過去の最悪ペースで増え続けている。もちろん、中日の貧打は今に始まったことではなく、監督が変わっただけで改善するものではない。ただ、選手のなかには、立浪監督の指導方法に不満の声が出ているという。

「お前、変らんかったな」

「立浪監督は、打撃について特にこだわりが強いと聞きます。監督のやり方が合う選手は良いのかもしれませんが、打撃スタイルは選手によって異なり、監督の理論に合わない選手も当然、出てきます。中には『監督に言われた打ち方ではないと使ってもらえない。でも、その打ち方だと結果が出なくて、また使われない』とこぼしている選手がいます。昨年、京田陽太(現・DeNA)がトレードで移籍する時に、立浪監督から『お前、変わらんかったな』と言われたという話は有名ですが、監督の方針とマッチしない選手が苦しんでいる典型的な例だったのではないでしょうか」(地元テレビ局のスポーツ記者)

 ここで名前が出た京田については、昨年5月4日のDeNA戦で途中交代となり、そのまま二軍降格となった際に「戦う顔をしていない」と立浪監督が発言したことも大きな話題となった。監督の方針に合わない選手は、容赦なく切り捨てるという印象を持たせるものだ。「戦う顔」という抽象的な表現で、二軍降格となる選手が出たとなれば、チームの士気にも影響することは避けられないだろう。

 立浪監督の発言で疑問に感じるのはこれだけではない。今年4月30日のDeNA戦で完封負けを喫した後には、選手の入れ替えについて『考えていない』と発言しておきながら、翌日には3人の野手を登録抹消し、二軍から新たに3人の野手を昇格させている。

 この時に昇格したビシエドもわずか6試合にスタメン出場(守備での出場を含めると7試合)したのみで、再び二軍に降格させられた(5月23日に一軍再昇格)。あらゆる面を思い直して柔軟にスピード感を持って対応を変えているとの見方もできなくはないが、行き当たりばったりの選手起用という批判はやはり避けられないだろう。

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