戦車も弾薬も軍服も全部足りない…次々明らかになるロシア軍の惨状を見て今ウクライナ軍が考えていること

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 CNN.co.jpは5月16日、「ロシア軍、もはや大規模な攻撃行動は不可能か ウクライナ当局者が主張」との記事を配信、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。ウクライナ国防省の報道官が15日に国内向けテレビ番組に出演し、ロシア軍の弱体化を明らかにしたと伝えたのだ。

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 CNNによると、テレビ出演したのは国防省情報総局のアンドリー・ユーソフ報道官。ロシア軍は大規模な攻撃行動が不可能となり、前線の全体で守勢に回っているとの分析結果を発表した。

 ロシア軍はウクライナの都市部やインフラ施設に対して何度もミサイル攻撃を行ってきた。ユーソフ報道官によると、巡航ミサイルの一部は在庫が不足しつつあるが、S300型地対空ミサイルは今も大量の備蓄があるという。

 さらに報道官は、ロシア軍は守りを固めていると言及。ウクライナ軍はロシア軍の堅い防御を《重大な要素として確実に考慮に入れながら》領土奪還を目指すとした。

 ここで注意が必要なのは、CNNは報道官の発言を、そのまま報じたということだ。同社の取材結果や分析といった客観的な視点は反映されておらず、ウクライナ国防省による“大本営発表”だった可能性はある。

 ならば実際のところはどうなのか。軍事ジャーナリストは「5月9日に行われたロシアの戦勝記念パレードは非常に示唆的です」と言う。

「モスクワの赤の広場で行われたパレードで、たった1両の戦車しか登場しなかったと世界各国のメディアが注目しました。この戦車は1939年に開発されたT-34-85です。独ソ戦の緒戦で劣勢に立たされていたソ連軍が投入すると、その高い性能で戦況を一変させてしまいました。ロシア人にとってはまさに救国の戦車であり、毎年のパレードで主役級の位置を占めてきたのです」

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