福島第一原発処理水放出で韓国「マスコミ」と「左派政治家」の異様 「日本は井戸に毒劇物を入れながら安全と主張」

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何を言っても無駄!?

 海洋放出に関しては、保守系紙と革新系紙では論調が割れた。だが、福島県産を筆頭とする農水産物となると、韓国国民は保守派であれ革新派であれ“拒否”の姿勢で団結しているように見える。

 例えば、韓国は福島県産の農作物の一部については輸入規制を継続。また、福島県など8県産の海産物は輸入を禁止している。3月16日に尹大統領が訪日した際、岸田首相は海産物の輸入禁止に関して撤廃を求めた。

 岸田首相の撤廃要求が韓国で報じられると、それを不安視する世論が急速に高まった。そのため大統領室の報道官が30日、「日本産の水産物輸入に関連し、国民の健康と安全が最優先という政府の立場に変わりない」、「福島産水産物が国内に入ることは決してない」と火消しに躍起になった(註5)。

 2022年10月、日テレNEWSは「福島第一原発の処理水混ぜた水槽でヒラメ飼育…影響調べる 東電が試験本格化」の記事を配信した。今、東電は処理水を使ってヒラメやアワビを養殖し、影響を調べている。

 だが、たとえ「全く問題は生じなかった。ヒラメもアワビも食用できる」という結果が明らかになっても、韓国の世論は変わらないのではないか──こんな徒労感を覚えている日本人も少なくないだろう。

狂牛病騒動という前例

「今後、注視すべきポイントはCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)です。加入を目指す台湾は22年2月、福島県産など5県で生産された食品の輸入を認めると発表しました。韓国もCPTTPの加盟推進を決めており、推進するつもりであれば、いつかは台湾と同じ決断を下す必要があります」(室谷氏)

 韓国世論は果たして冷静さを取り戻すのか──室谷氏は韓国の“前例”を挙げる。

「2008年春、韓国では狂牛病(牛海綿状脳症=BSE)を巡って世論が大騒ぎとなりました。科学的エビデンスを欠いた怪談が大量に報道され、あたかもアメリカ産牛肉を食べた韓国人は全員、脳がスポンジ化して死んでいくかのようなイメージが流布されたのです。連日のように反米・反政府デモが繰り広げられましたが、現在、韓国はアメリカ産牛肉の最大輸入国です。福島県産の水産物を筆頭に日本の農水産物をどんな理屈で輸入再開するのか、私はその日を楽しみにしています。とにかく日本人は、冷静な態度で韓国世論を見るべきでしょう」

註1:日韓首脳、北朝鮮への抑止力強化で一致(共同通信:5月7日)

註2:韓国の視察団、23日派遣 福島処理水、懸念払拭へ(同上)

註3:韓国政府、福島「汚染水」から「処理水」に用語変更の検討に着手(中央日報・日本語版:5月11日)

註4:韓国与党側、福島処理水は「汚染処理水」と呼ぶべきだ…左派「用語ロンダリングだ」(読売新聞オンライン:5月13日)

註5:韓国大統領室「福島産水産物が国内に入ることはない」(朝鮮日報・日本語電子版:3月30日)

デイリー新潮編集部

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