一命をとりとめた市川猿之助を待ち受ける苦難 最も気をもんでいるのは映画「緊急取調室」の関係者

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惨劇3日前の舞台

「客席から見ていて、ちょっと疲れているのかな、という印象でした。いつものように華麗な立ち回りと宙乗りに6役早変わり。そして昼夜、両方とも演出も担当しています。見どころは相変わらずでしたが、何しろ、昼夜ぶっ通しの公演ですからね……」

 都内在住の歌舞伎ファンの男性が、東京・明治座で公演中の「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」を観に行ったのは5月15日の夜の部「御贔屓繋馬(ごひいきつなぎうま)」。市川猿之助(47)のいとこで昨年、性加害問題によりテレビから姿を消した、香川照之こと市川中車(57)も出演している。

「中車は、最後の方でちょこっと出ていただけなので、特には……やっぱり、猿之助さんですよ。あの存在感は別格です」(同)

 だが、この日の公演後、食事に行った猿之助は店から出てきたところで「女性セブン」の直撃取材を受けるのである。

 同誌では「歌舞伎激震の性被害! 市川猿之助 コロナ拡散濃厚セクハラ」というタイトルで劇場関係者などの証言をもとに、猿之助がその立場を利用して共演者らに入浴やキス、一緒に寝ることを強要するなど、ハラスメント疑惑を報じている。猿之助はセブンの記者に、

「答える義務はありません」

 とだけ話したという。だが、同誌発売日の18日、悲劇は起きた。

 警視庁によると、110番入電は午前10時18分。猿之助のマネジャーから「迎えに来たら、本人が意識もうろうとしている」との至急報を受けた。救急隊に加え、警察官が現場にかけつけると、猿之助の父で歌舞伎俳優の4代目・市川段四郎(76)と、母親の延子さん(75)が2階リビングの床の上に、並んであお向けで倒れていた。

 猿之助は半地下のクローゼットの中にいるところを発見された。延子さんに意識はなく、同35分、現場で死亡を確認。段四郎は猿之助と共に救急搬送されたが、午前11時22分、死亡が確認された。段四郎夫妻に目立った外傷はなく、検視の結果、死因は不明。司法解剖に回されることになった。

「段四郎夫妻には布団が掛けられており、猿之助のそばには、知人に宛てた遺書のようなメモが見つかっています。猿之助は搬送時には問いかけに応じるなど、意識はありました。家の鍵は開いていたものの、物色の様子はありません。正確な死因を特定するため、胃の内容物や血液検査など詳細な解剖・鑑定を行いますが、両親は向精神薬中毒の疑いがあることが分かりました」(捜査関係者)

 明治座は昼公演を中止、夜公演は代役で公演を行ったが、広報担当者によると、

「28日まで予定していた公演のチケットはまだ発売中でした。製作の松竹さんと協議しますが、今後の上演スケジュールなどは未定です」

 と話していたが19日、20日以降の昼の部では、中車の長男、團子(19)が代役を務めることが発表された。

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