大谷翔平を絶望させるエ軍「捕手5人」 データも証明…専門家はパ軍「ダルビッシュ」との違いを指摘

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キャッチャーの責任

 とうとうエンゼルスは、クリス・オーキー(28)を起用した。キャッチャーの相次ぐ負傷でマイナーから緊急昇格させたのだが、メジャーでの試合経験は7試合しかない。

「大谷は5月10日、アストロズ戦に先発しました。オーキーが身体でボールを止められるかデータがないため、大谷は鋭く落ちるスプリットは捕球しにくいと判断して実戦に臨みました。それでも試合は4回まで大谷の好投が続きましたが、5回に逆転を許し、7回3失点で初黒星を喫しました。オーキーがキャッチャーだと大谷はスプリットなど何種類かの変化球が投げられないわけですから、同情的な報道ばかりでした」(同・記者)

 結局、5人のキャッチャーが離脱したり、欠点が露呈したりという異常な状態が続いている。メジャーリーグ評論家の友成那智氏は「エンゼルスのキャッチャーは問題だらけだとデータにも出ています」と言う。

「メジャーの場合、パスボールは全てキャッチャーの責任です。まさに“死んでも取れ”という考え方です。ピッチャーにもパスボールの記録は残りますが、それは“端緒”を明らかにするためのもの。パスボールはキャッチャーの不名誉な記録として残り、その数で守備の巧拙が計られると言っても過言ではありません」

内野にコンバートされた過去

 もちろんチームごとのパスボール数も記録されている。5月12日現在、チームのワーストはエンゼルスとアスレチックスが12で並んでいる。

「同じ12という数でも、その意味は両チームで正反対です。アスレチックスは藤浪晋太郎(29)が起用されていることからも分かりますが、ピッチャー陣は総崩れです。キャッチャーにパスボールの責任があるといっても、『それでも何とか12に抑えている』と擁護することができます。一方のエンゼルスは、今シーズン、ピッチャー陣は好調です。にもかかわらずワーストタイのパスボール数なのですから、これはキャッチャーの技量に問題があることを物語るデータなのです」(同・友成氏)

 友成氏が「エンゼルスのキャッチャー総崩れ」の象徴として見るのは、2回も打撃妨害の判定を受けたマット・タイスだ。

「彼のアマチュア時代のポジションはキャッチャーでしたが、プロに入ると内野にコンバートされ、ファーストやサードを守っていました。2021年、エンゼルスのマイナー時代にキャッチャーに再コンバートされますが、それは当時からエンゼルスのキャッチャーの顔ぶれが弱かったからです。しかも、その時でさえ内野手兼捕手という位置づけでした。そんなキャッチャーを相手に、大谷が全力を出して投げられるはずがありません」

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