亡くなった父親の日記を読んで知った“本当の夫婦関係”に衝撃… 不倫で悦びを知った43歳夫の述懐

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前編【結婚するまで女性を知らなかった43歳夫の告白「いま思えば、奇妙な母子関係が大きく影響した」】からのつづき

「ある日突然、ひとりの女性と出会って性にはまった」という東上幸平さん(43歳・仮名=以下同)は、教育ママのもとで厳しく育てられた。とくに性的なものからは遠ざけられ、ドラマのキスシーンすら「下品だから見てはダメ」という扱い。植え付けられた価値観は母が亡くなったあと、そして結婚した後も消えることはなく、子供を欲しがるひとつ年下の妻・美和さんの求めを避け続けていたという。

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 それでも妻にせがまれ、なんとかがんばった日もあった。そして妻は待望の妊娠。幸平さんは結婚5年目にしてようやく子どもをもつことができた。

「子どもが生まれたことで、もう性交渉をしなくていいんだと解放されたような気持ちになったのが大きかったですね。息子を介在させて、やっと妻とも親同士という役割ができて、関係がスムーズになった。そんなふうに思いました」

 小さく産まれた息子の健康だけが気にかかっていたが、小学校に入るころには標準より大きくなり、元気で活発な子に育っていた。

「ちょうどそのころ、父が亡くなったんです。まだ70歳になったばかり。母が亡くなってからあまり体調もよくなかったみたいですが、母がいた家でひとり暮らしをしていました。脳梗塞で倒れ、たまたま近所の方が見つけてくれて病院に搬送されて。そのまま意識が戻ることなく亡くなりました。親孝行なんてまったくできなかった。考えてみれば、僕は父とはじっくり会話もしたことがなかったですね。ただ、父の日記を見つけたのでつい目を通してしまったんですが、そこには母との性のありようが赤裸々に書かれていてびっくりしました」

 淡々とした夫婦に見えていたのに、ふたりの肉体の関わりは尋常ではなかったという。父の日記には母と毎日のように性を楽しんでいる様子が描かれていた。ときには第三者を交えての関係もあったようだ。

「もうね……本当に驚いて、最初は読み進むことができませんでした。親だからということではなく、あんなに性的なことに厳格すぎる倫理観をもっていた母が、実は第三者を交えて男ふたりと3Pをしているわけですよ。しかも父は、そんな母を『やっぱり彼女は淫乱だった。僕の目に狂いはなかった。喜ばしい限り』なんて書いている。落ち着いて考えてみれば、自分がそういうことをしていながら、いや、そういうことをしていたからこそ、父のようになってはいけないという意味で、僕に性的関心を持たせまいとしていたのかもしれない。母は喜んでしていたのではないんじゃないか。最初はそう思いました。でも父の日記を読む限り、母はどこまでも深い快楽に溺れていくことをよしとしている。だとしたら、夫と自分の性的な情熱を、子どもである僕には受け継がせたくなかったのかもしれない」

 親の日記を読んで、等身大の親を知ったとき、幸平さんは体中の力が脱けていくような気がしたという。自分を縛っていたものが、なんら意味がないものだとわかったからだ。幽霊の正体見たり枯れ尾花、だったのだ。

「ただ、何か自分の中で釈然としないものがありました。僕の本当の性的関心や欲求はどういうものなんだろうと疑問がわいてきた。もちろん、不惑を越えて悪さをしようとは思いませんでしたが、ここから自分自身を新たに構築する必要があるのではないかとは感じていました」

 妻には、父の日記の存在は知らせていない。妻は息子にべったりで、ときどき中学受験の話をしたが、幸平さんはがんとして「公立でいい」と言い続けていた。

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