ヒロド歩美アナ 阪神愛のきっかけはマット・マートン…野球と“関西特有の事情”で鍛えられたMC力

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“阪神&野球愛”への道を開いたマートン

 そんなヒロドアナが熱狂的な阪神ファンに変貌を遂げたきっかけは、入社直後の4月下旬、研修で出向いた甲子園球場での出来事だった。当時の彼女は当然、阪神の選手の名前すら知らない。それなのに、先輩アナから「ヒロドって英語喋れるよな? マット・マートンに話しかけてこい!」と指令を出されてしまったのだ。

 マートンといえば、15年の退団までにシーズン最多安打を3回も記録した凄い選手。しかしヒロドアナは「マートンって誰?」と戸惑いながら、得意の英語で自己紹介した。その際に、ミドルネームの「ビクトリア」で呼んで下さいと話しかけたという。

 試合前の立ち話だったため時間は3分ほど。野球の話を一切しなかったが、この体験は大きかった。英語で話したマートンに親近感が湧き、野球との距離が縮まった気がしたようである。

 それからのヒロドアナはマートンを応援する。阪神戦の中継を欠かさず観戦し、朝はスポーツ新聞を、夜はスポーツニュースをチェックした。中継を観戦しながらスコアブックをつけ始め、徐々にルールや選手の特徴などがわかるようになっていったという。

 その甲斐あって、入社2年目の15年4月から「スーパーベースボール 虎バン主義」や「スカイAスタジアム」などのプロ野球中継でベンチリポートを担当(関西圏での阪神主催試合限定)することになった。

 入社当時、阪神と読売ジャイアンツしか知らなかった彼女にとっては、まさに大躍進といえる。そして気づけば、福留孝介や藤川球児といった当時のベテラン勢からも一目置かれる存在となっていた。

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