韓国でも「お花見」は人気だが… ぼったくり頻発で「これなら日本旅行のほうがいい」の声が相次ぐ

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 4月の第一週、東京より1週間ほど遅れて、韓国の桜も満開になった。ソウルで最も有名な桜祭りが開かれる汝矣島(ヨイド)ユンジュン路に出かけてみた。月曜日の午後にもかかわらず、桜並木はソウルの人々や外国人観光客でにぎわっていた。皆、桜を写真に収めながら、春を満喫していた。

 知人も前日、汝矣島を訪れたが、歩道をぎっしりと埋める人波に、まるでここが韓国内で最も人気のある観光地かと思ったという。実際、ネット上でも汝矣島桜祭りの書き込みは多い。

 コロナ禍で2年間封印されていた桜祭り。全国レベルでいうと、慶尚南道昌原市の鎮海で開かれる「軍港祭」が最も知られている。軍港祭は桜並木だけでなく、汽車、鉄道、博物館そして近隣海岸で海軍のパレードなどとイベントも多彩。コロナ禍前は、ソウルの人々も、KTX(日本の新幹線のような高速列車)に3時間以上も揺られ、この軍港祭に向かう人が多かった。

 ところが今年の軍港祭は3年ぶりにもかかわらず評判がよくない。「絶対軍港祭には行かない」「汝矣島の桜祭りがあるから、あえて軍港祭に行く気になれない」といった書き込みが目立つ。今年の軍港祭を訪れた人は、外国人約54万人を含め約450万人に留まった。しかし世論とマスコミは「来年はさらに減るのでは?」と疑問符をつけている。

主催者は謝罪文を発表

 その理由は、軍港祭に出かけた人たちが次々に発信した「ぼったくり料金の被害」だったというものが多い。食べ物と料金表を撮った写真を掲載した投稿も注目を集めた。写真では、豚脂身とタマネギ、味噌だけの「バーベキュー」がなんと5万ウォン(約5000円)。通常はせいぜい3万ウォン(約3000円)ほどのボリュームだ。さらに通常なら1万ウォン(約1000円)以下程度の小さなネギのチヂミ3枚が2万ウォン……。軍港祭の会場は飲食店が少なく、観光客はぼったくり料金の露店で食べるしかなかったという。

 ほかのブログやSNSでも、「自分も軍港祭で同じぼったくり料金の被害を受けた」といった抗議が続き、インターネットニュースや一般ニュースでも、この問題が集中的に扱われた。この動きに対し、軍港祭の主催者は謝罪文を発表。ぼったくり料金の店を厳しく取り締まるというコメントを公表した。しかし、ソウル市民にしたら、ぼったくり料金の被害を心配しながら、わざわざ軍港祭に出かける気分にはなれないということらしい。

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