韓国でも「お花見」は人気だが… ぼったくり頻発で「これなら日本旅行のほうがいい」の声が相次ぐ

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国内の観光地に萎える韓国人

 軍港祭のぼったくり被害の書き込みに呼応するかのように、ネット上の記事には、「こんなことなら、国内より日本旅行のほうがよっぽどいい」というコメントが溢れはじめる。

 韓国の日本旅行熱は、軍港祭以前から高まっていた。今年1月から毎月50万人以上が日本に出国し、いわゆる「日本旅行ラッシュ」が続いていた。3月19日、仁川国際空港公社と韓国空港公社の統計が発表された。それによると、今年1月1日から3月16日まで仁川国際空港から日本へ向かった旅行者数は115万5199人、金浦国際空港は19万6472人だった。合計で135万1671人にもなる。

 そこには円安のメリットも後押ししているが、軍港祭の場合のように国内観光地のぼったくり料金やお寒いサービスといった失態に失望し、反射的に日本に向かう韓国人が増えているためだという人が多い。

 実際、韓国人が国内で最も多く訪れる観光地である済州島からは、観光客急減という現象が伝わってくる。済州特別自治道が今年3月22日発表した資料によると、今年1月の済州の観光客は、2022年1月に比べて約14万人減っていた。そして2月も昨年に比べて約7000人減。それは旅行客の満足度調査からもわかる。済州観光公社によると、済州島を訪問した韓国人観光客の旅行満足度は、2018年が4.10点(5点満点)、2019年が4.09点だったが、2020年3.96点、2021年3.88点と年を追って下落。今年は、さらに満足度が低くなると予想されている。

 その要因には、高い料金や満足感を得られない食事、宿泊施設のサービスへの不満などだといわれている。コロナ禍の時期には、海外に行くことができず、やむを得ず済州島に行ったが、今は海外旅行が自由になった。あえて済州に行く必要がないというのが本音だろう。

 この状況に、政府は3月29日、国内観光の活性化のために、宿泊予約時に3万ウォン割引と国内旅行費10万ウォン支援を打ち出した。しかし国民の反応は鈍い。旅行関係のアナリストはこういう。

「根本的なサービス意識の転換がなければ、韓国人はなかなか国内旅行にいかないでしょう。しばらくは、日本旅行ラッシュは続くはずです」

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