「令和ヤクザ」の悲しい現実を物語っていた神戸山口組幹部の逮捕案件

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5人以上で集まったことで

 神戸山口組傘下・4代目古川組組長ら5人が暴力団対策法違反容疑で逮捕された。同時に逮捕された面々の肩書きを見ると、令和ヤクザの悲しい現実を如実に表す逮捕劇だと言えるかもしれない。元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現在は、暴力団組員の更生を支援するNPO法人「五仁會」を主宰)が解説する。

 逮捕されたのは4代目古川組の親泊吉広組長(63)らで、容疑は暴力団対策法違反だ。

「特定抗争指定暴力団の活動を制限する警戒区域内で禁止される、5人以上で集まったということで身柄を拘束されました。兵庫県内での適用は初めてになります」

 と、担当記者。

 親泊容疑者をめぐっては、暴力団であることを隠してアパートを借りたり、虚偽の転居届を役所に提出したり、スナックで居合わせた客を殴ったりなどとして、ここ最近、身柄拘束が重なっていた。

 それらの件に比べると「5人以上で集まった」だけで逮捕というのはかなり厳しいという印象を持たれるかもしれない。今回、同時に逮捕されたのは、4代目古川組幹部の左官工の男(51)、同組員の解体作業員の男(67)、神戸山口組の直参組長の男(48)、そしてその配下の男(54)だ。

左官と解体作業を兼業

「居酒屋に5人でいたそうです。尼崎はヤクザが5人集まってはいけない警戒区域に定められていて、それを破ったということですね。ただ、この5人のうち1人、無職男性はカタギだから逮捕された方としては大丈夫だろうと思っていたフシがあるとのことです。本当にカタギなのかはハッキリとはしませんが。さらに言うと、親泊組長に関してはもうひとつの事件に絡んだ別件逮捕説が噂されています」

 と、竹垣氏。ここで注目されるのが、2人の組員の職業だ。左官や解体作業を兼業していることになる。

「そうですね。仕事をしながら“現役(のヤクザ)”を続けているというわけです。そうしないと食っていけないし、上部組織への会費の支払いもままならないのでしょう。かつて私がトップだった頃にも似たような話がありました。“ヤクザを続けるために仕事をしているんですよ、会費払えなければヤクザじゃないですから”と言っていましたね」(同)

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