中国中央銀行総裁人事を外した日経新聞 「部長自らリスクを取るのは立派」の声も

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 予想は外れるのが世の常。まして隣国の閣僚級人事とあらば、的中させるのは難しかろう。さはありながら、先の日銀総裁人事をめぐる報道で一騒動起こした日経新聞に、今般、中国に絡むコラムで新たな疑惑が――。

 今月13日に中国の全国人民代表大会(全人代=日本の国会に相当)が閉幕し、習近平政権の3期目が本格的にスタートした。習氏の側近が飛び級で首相に抜てきされるなど、何かと“習近平色”の濃い人事として話題を集めたが、その余波はこんな形で我が国にも。

「今回の人事で、中国の中央銀行総裁は現職が留任することが決まりましたが、先月の日経の記事では、『退任する』ということが明言されていたんです。日本を代表する経済紙で、こんないい加減な報道が許されてよいのでしょうか」

 とは、さる日経読者の声である。さては、天下の日経新聞に、誤報の疑いか?

全く逆の内容が

 読者氏が言う記事とは、2月3日付朝刊5面「中国経済の復活は本当か 新たな『政策不況』の恐れ」と題されたコラムだ。そこには、〈3月の全国人民代表大会(国会に相当)を最後に(中略)中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁ら、改革派と呼ばれる経済の専門家がいっせいに表舞台を去る〉という記述が確認できる。なるほど、日経の花形、経済部長の署名付きとあっては、読者が全面的に信を置いたとしても責められまい。

 だが、全人代終了間際の3月12日に電子版で配信された記事では、〈交代との見方が強かった中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は留任した〉と、全く逆の内容がつづられているのだ。

 一体、何ごとなのか。

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