「開かずの金庫を開けたい」 京都タリウム事件、容疑者が叔母の体調急変後に周囲に見せていた“異変”

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「叔母に対する殺人未遂容疑でも捜査」

 謎多き「京都タリウム事件」が新たな展開を迎えている。3月24日、宮本一希容疑者(37)の叔母(61)で、2020年の7月から植物状態になっている女性の血液からもタリウムが検出されたと、報道各社が一斉に報じたのだ。この異様な事態の謎を解くカギは、宮本家に伝わる「開かずの金庫」にあった。

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 立命館大学に通っていた浜野日菜子さんにタリウムを摂取させて殺害したとして宮本容疑者が逮捕されてから、3週間が経過したところで事件はさらに動き始めた。

 大阪府警担当記者が解説する。

「叔母が倒れた当時、診察した病院の医師が血液を保存しており、今回の事件後に鑑定したところ、タリウムが検出されたのです。府警は叔母に対する殺人未遂容疑でも捜査を慎重に進めています」

 50年以上前、祖父の代から宮本家は京都で不動産業を営んでおり、その祖父が最も信頼を寄せていたのが娘、すなわち宮本容疑者の叔母だった。祖父には息子(宮本容疑者の父)もいたが、近隣住民が言うには、

「祖父は資産管理などで叔母を頼っていたようです。というのも、叔母の兄である宮本容疑者のお父さんはヤクザとの付き合いを周囲に平気で吹聴するなど、物言いが自分本位で思い込みの激しい方だった。そのくせ、祖父に寄ってくる人に誘われ、事業を始めて大失敗していたんです」

 祖父からこの父が激怒されたことも。

「祖父から“お前は格好ばっかりつけやがって、カローラでも乗ってろ!”と怒鳴られていました。(宮本容疑者の)お父さんはスキーが趣味で、SUVに乗っていたのですが、“はい”と素直に従っていました。事業に失敗した後は外に勤めに出たと聞いています」(同)

「金庫を開けたいんだ――」

 父が祖父から冷遇されていることは明らかだった。その結果、祖父が亡くなった後の08年、家業である不動産会社の社長の座に就いたのは叔母だった。そして祖父は、彼女に遺言を託していた。

 一家を知る関係者がささやく。

「不動産会社には高さ1メートルほどの金庫が置いてありました。中に何が入っているかは門外不出とされるも、なにがしかの財産があったのは間違いないでしょう。おじいさんは亡くなる前に、この金庫について、“娘に万が一のことがないかぎり開けてはならない”と言い遺していました」

 それから10年以上の時が経った3年前の夏、叔母は頭痛を訴えて病院に運ばれ、そのまま植物状態になってしまう。まさに「開かずの金庫」の封印を解くことが可能となる“万が一”の事態である。

 するとその年の10月、動けない叔母に代わり、不動産会社の代表に就いたのは宮本容疑者だった。直後、彼は周囲にこう漏らしていた。

 金庫を開けたいんだ――。

 先の関係者が続ける。

「実際、宮本容疑者は、宮本家の資産管理を行い金庫の鍵を預かっていた第三者を業務から解任し、金庫を開ける権利を得たようでした」

 実は、叔母が植物状態になる直前には宮本容疑者の父も孤独死している。容疑者の周辺にはなぜか“死の匂い”が漂うのだった。

 3月30日発売の「週刊新潮」では、「開かずの金庫」の存在が浮上したタリウム事件の新展開について詳しく報じる。

週刊新潮 2023年4月6日号掲載

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